購買担当が交代するときは、よく買う資材の品名と仕入先だけを渡しても、次の担当者は注文を続けられません。何を確定仕様として再注文できるか、どの注文がまだ届いていないか、何が回答・承認待ちかを分けて引き継ぎます。シートの仕様とフレコンの品番が分かっていても、注文残を見落とすと二重発注につながります。
交代日の資料として、定番品の根拠資料、進行中の注文、判断が必要な例外を一枚の一覧でたどれるようにします。すべてを一つの表へ書き写す必要はありません。元の注文書・図面・連絡記録へ戻れる場所と、次に確認する人・日付を示すことが大切です。
定番品は、品名より確定仕様の根拠を残す
「いつものトラックシート」や「青いフレコン」という呼び名は、発注の手がかりにはなっても仕様の確定資料にはなりません。社内番号があればその番号と、発注先・相手先品番、注文単位、対象現場を一覧に記し、最新版として採用した図面・仕様書の保管場所と版を添えます。シートなら完成寸法、生地、ハトメ・補強などの加工、フレコンなら袋の型式・形状・内容物と作業方法が分かる資料をたどれるようにします。
見積書、注文書、承認した仕様が別々の場所にあると、次の担当者はどれが採用版か判断できません。前回注文の番号と採用した資料を一組にし、旧版は履歴として残します。前回の価格や予定納期は、今回も同じ条件とは限りません。当社のよくあるご質問では、仕様・数量を確認し、正式な見積もりで価格や予定納期をご案内しています。
| 定番品ごとに残す情報 | 次の担当者が分かること |
|---|---|
| 社内番号、相手先品番、注文単位 | どの品を何単位で問い合わせるか |
| 確定仕様書・図面の版と保管場所 | 見積中の案と、採用済みの内容を区別できる |
| 直近の注文番号・納品先 | 過去の手配をたどり、今回の条件との差を確かめられる |
| 使用現場と連絡先 | 代替候補や仕様変更を誰に確認するか |
発注済みの品は、注文数と受け取った数を分ける
「100枚注文済み」というメモだけでは、100枚すべて届いたか分かりません。注文書の数量、納品書や現場の受入記録で確認できた数量を照らし、まだ受け取っていない数を品番・納品先ごとに記します。納品予定日は、取引先から確認できた日付と、こちらの希望日を分けてください。回答がなければ「未回答」と残します。
次は説明用の架空例です。フレコンF-21を注文番号P-102で100枚発注し、現場Aで60枚の受入を確認したとします。受入済み60枚と未入荷40枚を同じ在庫として数えません。次の担当者には、P-102の注文書と60枚の納品書、残り40枚の予定日を確認した連絡の有無を渡します。もし40枚の予定日が未回答なら、必要な使用時期と一緒に照会する作業を引き継ぎます。この番号・数量は当社の注文実績ではありません。
| 架空の進行中注文 | 確認済み | まだ必要な確認 | 次の担当の行動 |
|---|---|---|---|
| P-102/F-21・100枚 | 60枚の受入記録 | 残40枚の納品予定日が未回答 | 注文番号を示し、予定日と納品先を確認 |
| P-103/シートS-14・4枚 | 注文書と採用図面・版03 | 全4枚の受入記録がない | 出荷・到着状況を確認し、現場の受入記録と照合 |
発注残は、注文番号・納品先・受入済み数量の根拠と一緒に渡します。
採用前の候補と例外は、発注可能な定番品に混ぜない
似た品への変更、廃番の連絡、現場からの加工変更、急ぎの追加などは、「いつもの品」と同じ扱いにしないでください。候補品が現場で使えるか確認中なら、旧品の注文は続けてよいのか、誰が変更を承認するか、回答を待つ相手と期限を記します。電話で聞いた内容だけで決めず、資料や返信を残しておくと、交代後に確認を再開できます。
たとえば架空のシートS-14について、現場がハトメ位置の変更を希望しているものの、新しい図面をまだ承認していないとします。この時点では採用済みの版03と変更案を別に置き、次の注文にどちらを使うかを現場と確認します。変更案を定番品の最新版として上書きすると、承認前の仕様を発注してしまうおそれがあります。
| 例外の種類 | 状態の書き方 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 代替候補 | 候補品番・資料の版・現場の確認待ち | 必要条件の差と承認者を確認 |
| 加工変更 | 現行版と変更案を分ける | 変更箇所、図面の承認、今回の注文への適用を確認 |
| 急ぎの追加 | 未入荷の注文・使用可能在庫を先に照合 | 必要日と数量を確認してから追加手配を相談 |
交代日に一覧を確かめ、次の確認日を渡す
引き継ぎ表を作った日と交代日が離れているなら、最後に注文残と受入、価格・納期の回答待ちを更新します。品番ごとの「次に何をするか」「誰が回答・承認するか」「いつ確認するか」を読み合わせ、注文済みと相談中を色や状態名で区別します。共有フォルダの場所だけでなく、どのファイルのどの版を開くかまで残すと、交代後の最初の発注を進めやすくなります。
前回資料が見つからない、候補品へ変えたい、納期を確認したい場合は、分かる注文番号・品番・資料、必要数量、納品先、希望時期をまとめてください。法人向けの資材調達相談では、繰り返し購入する資材の仕様や数量から相談できます。資料のない欄は推測で埋めず、お問い合わせで今回確認したい条件を知らせてください。






