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COLUMN 資材選びのコラム

補修箇所から必要なテープ量を見積もる方法

この記事の目次

傷の寸法から貼付片の長さを出し、表裏の枚数と製品の販売長さへ換算する図

傷が三つあるからテープを三枚、とは数えられません。補修するシートの材質と傷の位置からテープの適合を確認したうえで、各傷の長さ・幅、製品が求める傷の周囲の貼付範囲、片面か表裏か、裁断の予備分を一片ずつ積み上げます。最後に合計の切り長さを、実際に購入できるシート状・ロール状の長さへ換算します。

数量計算に入る前に、補修の対象を分ける

補修テープの数量計算は、テープで対処する範囲が確認できた後の作業です。まずシートの品名・材質・表面の状態、傷が生地の中央か端・ハトメ・継ぎ目の近くか、必要な機能を記録します。生地の広い劣化や固定部・接合部の損傷まで、長さを足してテープを発注する判断はできません。補修と交換そのものの判断は別に行います。

菊地シート工業は自社のトラックシート用補修テープについて、非塩ビ製品には接着できず、応急補修用で長期間の使用を避けるよう案内しています[1]。これは同社品の条件です。手元のシートに貼れるか、貼った後の使用条件を満たすかを候補の説明書・販売先で確かめてください。当社では幅・長さ・色・適合素材を商品ごとに確認します。候補を探すときはシート補修テープをご覧ください。

傷は「位置・縦横・表裏」を一件ずつ測る

シートを平らにし、傷ごとに番号を振ります。裂け目なら両端の距離だけでなく、開いている幅と周囲の傷みも測ります。穴が複数近接している場合は、別々の片で貼るのか、まとめて一片にするのかを先に決め、同じ傷を重複計上しません。写真は全体・近接・裏面を揃え、定規と傷番号が写るようにします。

記録欄 測る・確かめること 数量に効く理由
傷の長さと最大幅 傷そのものに加え、めくれや白化など周辺の状態 貼付片の長さと必要幅の出発点
位置 端・ハトメ・縫い目・荷台の接触部との距離 テープで扱う範囲か、別の修理相談かを分ける
表裏と枚数 一箇所に片面か表裏か。近い傷をまとめるか 同じ長さでも必要片数が変わる
候補品の条件 対象素材、傷より広く貼る範囲、施工面の状態 計算上の片寸法と施工可否が決まる

タニ工業は自社販売の補修テープについて、補修部分より20〜30%大きく切る案内をしています[2]。旭産業は自社の補修テープを、穴の表面と裏面に貼る例を示しています[3]。「何cm余裕を取るか」「表裏とも必要か」は全製品に共通する数字ではありません。選ぶ製品と対象の状態について回答を得てから、以下の寸法欄を埋めます。

傷の長さ・幅と貼付片に必要な四辺の余裕を分け、テープ幅に収まるか確認する図

貼付の余裕を見積もる模式図です。図の余裕寸法は製品共通の施工基準ではありません。 図を拡大して見る

架空R-6:三つの傷を表裏に貼る場合の切り長さ

説明用の架空案件R-6では、一枚のシートにA・B・Cの三つの傷があり、いずれも生地面で互いに離れているとします。計算用に、候補品がこの材質に適合し、各傷の四辺に2cmずつ余裕を取り、表裏に同じ片を貼るとの回答を得たと仮定します。この2cmはR-6だけの仮定で、出典各社の共通指定ではありません。

旭産業が公開する補修テープには14cm幅×50cmのシート状と、14cm幅×25mのロール状があります。同社は自社のエステル帆布の補修例で、穴の表面と裏面に貼ると案内しています[3]。R-6ではこの販売寸法だけを計算例に借り、当社で同じ品番を販売できるか、実際のシートに適合するかは未確認とします。各片はテープを14cm幅のまま切る前提です。

傷 傷の最大幅×長さ 四辺各2cmを加えた最小貼付範囲 14cm幅から切る長さ・表裏
A 5cm×8cm 9cm×12cm 12cmを2片
B 6cm×12cm 10cm×16cm 16cmを2片
C 8cm×18cm 12cm×22cm 22cmを2片

基本の切り長さは(12+16+22)cm×2面で、合計100cmです。最小貼付幅は9・10・12cmで、14cm幅の候補内に収まります。実際の断裁では角を丸めたり失敗したりすることがあるため、R-6では一片につき2cmの裁断予備を見ます。6片×2cm=12cmを足し、手配用の計算長さは112cmです。裁断予備もR-6の仮定であり、メーカーが示す施工余裕とは別です。

50cm片かロールか、切り分けてから購入数を出す

50cmのシート状を選ぶ場合、必要長112cmを50cmで割って切り上げるだけでは、片が一枚に収まるかを示せません。R-6の6片は予備を含めて14cm、14cm、18cm、18cm、24cm、24cmとして切り分けます。50cm片なら「24+24=48cm」「18+18+14=50cm」「14cm」の三枚に割り付けられます。合計で50cm片が3枚、未使用の長さは150−112=38cmです。色や表裏の仕様を分ける場合や現場で追加の切り損じが出る場合は、この割付けを見直します。

25m巻なら長さだけでは1巻で足りますが、R-6の使用見込み112cmに対して大きな残りが出ます。少量の都度補修なのか、同じ材質で今後も使うのかを考え、販売単位・価格・納期・保管方法を比較してください。14cm幅では覆いきれない傷は、長いロールを買っても解決しません。別幅、別の修理方法、交換を相談する対象です。

架空R-6の六つの切り長さを50cm片三枚に割り付け、ロール長さと比べる図

R-6は架空の数量計算です。14cm幅品の適合、片の施工可否、当社の取扱や価格を示すものではありません。 図を拡大して見る

傷の写真・材質・補修箇所数から、必要な幅・長さ・巻数をご相談いただけます。お問い合わせには、傷番号と寸法・表裏の写真、シートの品番、希望する使用期間、候補テープの型式と貼付条件、計算した片数と切り長さを添えてください。販売単位と適合条件を確認し、計算だけで補修可能と決めずに手配します。

参考資料・出典

  1. 菊地シート工業「トラックシート・テント・間仕切り用 補修テープ」(2026年9月25日確認)。同社品の素材適合と応急補修の注意。
  2. タニ工業「補修テープ」(2026年9月25日確認)。同社販売品について補修部分より20〜30%大きく切る案内。
  3. 旭産業「補修テープ」(2026年9月25日確認)。同社品の14cm×50cm、14cm×25mの寸法と表裏貼付例。

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