トラックシートが荷台には合っても、折り畳むと車載の収納箱に入らないことがあります。箱の外寸やシートの完成縦横だけでは、収納の可否は分かりません。箱の開口と使える内寸を測り、乾かした完成シートを現場で使う畳み方にして、出し入れまで試すことが判断の順番です。生地だけでなく、周囲の折り返しや補強、ハトメが重なる部分も見ます。
外寸ではなく、開口と使える内側を測る
収納箱には、外板の厚さ、ふたの縁、蝶番、留め具、内部の仕切りがあります。「幅600mmの箱」と書かれていても、そのまま600mm幅の束が通るとは限りません。箱を普段の開き方にして、入口を通せる幅・高さ、内部で束を置ける幅・奥行き・高さを別々に測ります。ふたを閉めるときに当たる金具や、底に入れているロープなども写真に残します。
| 測る場所 | 記録する値と状態 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 箱の開口 | 実際に通せる幅と高さ、ふたの開き方 | 縁・蝶番・金具で狭くなる部分 |
| 内側 | 束を置ける幅・奥行き・高さ | 仕切り、既存の道具、ふた裏の出っ張り |
| 出し入れ | 車上での箱の位置と持ち手側、抜く方向 | 寸法上は入っても、手を入れられない場合 |
この測定値をシートの発注用の縦横と混ぜないでください。トラックシート商品ページで入力する完成寸法は、シートを広げた外端から外端です。箱に入る束の寸法とは別に記録します。
開口と有効内寸の測定箇所を示す模式図。特定の収納箱の規格寸法ではありません。 図を拡大して見る
収納を試すのは、使った後に乾かす運用を決めてから
雨の日に外したシートを、帰庫まで一時的にどこへ置き、その後どこで広げて乾かすかを決めます。「濡れても箱に押し込めた」状態を、日常の保管状態の確認結果にしません。全日本トラック協会のシート・ロープ掛け作業に関する手帳は、使用後のシートの破損・汚れを確認し、濡れたシートはよく乾かしてからしまうよう案内しています[1]。対象品の取扱条件があれば、それも合わせて確認してください。
試すときは、完成シートを乾かしたうえで、普段の作業者が採用する畳み方を決めます。全日本トラック協会の同資料には、次に広げやすいよう畳む手順の例もあります[1]。ただし、その手順で畳めばどの収納箱にも収まるという意味ではありません。畳む場所、重いシートの扱い、車載箱への出し入れは車両管理者と作業担当者の手順に合わせて確認します。
畳んだ束の最大幅・奥行き・厚さを、ハトメや補強が重なって最も厚い場所を含めて測ります。バンドや袋を使うなら、その状態でも測り、箱へ入れる向きと、取り出すときの持ち方も写真に残します。単位面積の生地重量や平置きの完成寸法から、この三方向の束寸法を確定できません。
架空K-8:数字上の余裕と、実際の出し入れを分ける
架空の収納箱K-8では、ふたの縁を除いた開口と有効内側を測り、束を置ける空間を幅520×奥行350×高さ220mmと記録したとします。候補Aの乾いた完成シートは、決めた畳み方で500×330×180mm。この向きなら幅・奥行・高さの差は20・20・40mmです。候補Bは530×310×160mmで、同じ向きでは幅が10mm大きくなります。いずれも説明用の架空値で、当社シートや収納箱の仕様ではありません。
| 乾いた束 | 幅×奥行×高さ | 数字上の比較 | 次の確認 |
|---|---|---|---|
| 候補A | 500×330×180mm | 各方向が有効内寸以下 | 開口を通し、無理なく置き、ふたを閉めて取り出す |
| 候補B | 530×310×160mm | この向きでは幅が10mm超える | 畳み方・置く向きを変えられるか実物で確認 |
候補Aは「入ると確定」ではありません。開口の角、ふた裏の出っ張り、手を差し込む余地、柔らかい束のふくらみが残っています。候補Bも、この数値だけで全ての収納方法を否定できません。折り方を変えると別の方向の寸法や厚みが増えるため、実物の出し入れを同じ手順で繰り返して確認します。箱に押し付けてふたを閉めることは、収納の合格条件にしません。
K-8、A、Bの寸法は架空。20mm等の差を必要な余裕の基準として使わないでください。 図を拡大して見る
生地と補強を選ぶときは、完成品の畳み姿を確認する
別の生地にすると重さや曲げた感触が変わる可能性はありますが、「薄い生地なら必ず箱に入る」とは言えません。必要な被覆・固定を満たす完成寸法があり、縁の折り返し、部分補強、ハトメ、ペケットの位置でも束の厚みが変わります。当社では、生地と完成寸法、ハトメ・補強の加工条件を分けて確認します。収納を優先して必要な補強を独断で省かず、困っている折り畳み位置を伝えます。
注文前に実物試用ができない場合は、現用品で箱の有効寸法と束の実測値を残し、新候補の生地・完成寸法・加工位置で折り畳み寸法を確認できるか相談します。完成品の束寸法を保証できるか、試作品を用意できるか、費用・納期は案件別です。お問い合わせには、箱の開口・内側・ふた裏の写真、現用品の畳み姿と寸法、希望するシートの使用条件・枚数・時期を添えてください。収納できても、荷台を覆い固定できることは別途確認します。
参考資料・出典
- 全日本トラック協会「シート・ロープ掛け作業と積卸し作業に関する手帳」(2026年9月25日確認)。「12.シート外し作業」「13.シートの手入れ・保管」を参照。箱への収納寸法や特定商品の取扱基準は示していない。






