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COLUMN 資材選びのコラム

資材の仕様書が複数あるときに最新版を確認する方法

この記事の目次

架空TS-42の仕様書Rev.02と確認用Rev.03を、品番・文書番号・改訂日・承認状況で照合する図

同じ資材の仕様書がメールや共有フォルダに何枚も残ると、ファイル名に「最終」と書かれたものや保存日時が新しいものを、そのまま今回の発注に使いたくなります。けれども、新しいファイルと、今回の注文に適用される承認済み仕様は別です。品番・文書番号・改訂番号をそろえ、変更箇所と適用状況を供給元に確認してから、見積書や発注書へ採用版を明記します。

本稿は、架空の事業所K-8が別注シートTS-42の仕様書DS-42を確認する例です。文書番号、日付、ハトメ間隔は説明用で、当社やメーカーの実製品仕様ではありません。前回と同じ資材を再注文するための記録全体は別注品を同じ仕様で再注文する手順をご覧ください。ここでは複数の仕様書から今回使う版を確かめる作業に絞ります。

品番と文書番号を合わせて候補を並べる

まず、発注したい品番TS-42に対し、各PDFの表紙や欄外にある製品品番、文書番号DS-42、改訂番号、発行日、作成・承認の表示を拾います。同じ商品名でも別のサイズや加工用の資料なら、改訂番号だけ比較しても意味がありません。印刷した紙やメール添付にも同じ欄を書き出します。

国際標準化機構の文書管理に関する解説は、文書を識別する情報、レビューと承認、変更管理を分けて扱っています。[1] TS-42でも、文書の識別情報と承認・変更の記録を分けて確かめます。

K-8の架空資料 文書内の表示 受け取った時点の状態 この場での判断
A:前回発注に添付したPDF TS-42/DS-42/Rev.02、7月15日発行 前回の注文で採用 前回の基準として保管
B:後から届いた確認用PDF TS-42/DS-42/Rev.03、9月3日発行 「確認用」、今回の承認は未確認 新しい番号だけで発注に使わない
C:9月25日に保存したPDF TS-42/DS-42/Rev.02、7月15日発行 Aを再ダウンロードしたもの 保存日の新しさでRev.03とみなさない

ファイルの保存日と仕様書の発行日を分ける

Cのファイル更新日は9月25日でも、中身の文書はAと同じRev.02です。メールから保存し直す、共有フォルダへコピーする、印刷用に再出力するだけでファイルの日付は変わり得ます。発行日が同じでも、差し替えや誤配布の可能性があるため、文書内の版と供給元からの送付経路も照合します。

SharePointの公式説明では、ファイルのバージョン履歴から以前の版を表示・比較し、いつ誰が変更したかを追えます。[2] ただし、共有フォルダの履歴だけで供給元がどの仕様を今回の注文に適用するかは決まりません。履歴は社内で受け取った経緯をたどる材料とし、供給元の版情報と突き合わせます。

Rev.02とRev.03の変更箇所を一行ずつ照会する

K-8の例では、完成幅1,800mmは同じですが、ハトメ間隔の表示がRev.02の500mmからRev.03の450mmへ変わっています。どちらが正しいかを社内で推測して選ばず、変更理由、適用開始時期、今回の見積もりで採用する間隔を供給元に質問します。新版に記載がない欄も「変更なし」と推定せず、差分資料や回答で確認します。

照会する項目 Rev.02 Rev.03確認用 今回の扱い
製品・文書番号 TS-42/DS-42 TS-42/DS-42 同じ品番の同系列か確認
完成幅 1,800mm 1,800mm 記載上は一致。ほかの完成寸法も確認
ハトメ間隔 500mm 450mm 変更の適用可否を照会
版の状態 前回採用のRev.02 「確認用」のRev.03 今回の採用版は回答待ち

架空TS-42のRev.02と確認用Rev.03でハトメ間隔500mmと450mmの差を確認し、承認・適用時期を問い合わせる図

図を拡大して見る。数値は架空の比較です。図面の完成寸法・ハトメ位置と仕様書の値が食い違う場合も、発注前に照合します。

新しい番号でも「承認済み」「今回適用」を確かめる

Rev.03がより新しい番号でも、K-8では「確認用」と書かれ、今回の発注で有効か分かりません。確認したいのは、供給元が正式に承認した版か、いつから適用するか、Rev.02での製作を続けられるかの三点です。社内の品質・現場担当が変更を受け入れるかも別に記録します。

例えば供給元が「今回からRev.03適用」と回答し、社内が450mmの配置を承認したなら、今回の採用版はRev.03です。供給元が「今回の見積もりはRev.02」と回答したなら、後で届いたRev.03を勝手に上書きしません。回答が曖昧な間は、発注書に「最新版」とだけ書かず、版と変更箇所を確定するまで保留にします。供給元の回答に応じて採用版を決め、関係者で共有します。

見積書と発注書に採用版を同じ形で記す

供給元の回答を受けたら、見積書に品番TS-42だけでなく、仕様書DS-42の採用Rev.番号・発行日と変更箇所を反映してもらいます。発注書、承認図面、見積書で版が違えば、どの仕様の価格と納期か分かりません。文書番号が同じでもシートの加工位置が変われば、完成品の確認条件も変わります。

見積書と発注書のどちらかだけを更新したときは、双方の担当者が差分を確認します。古い見積番号をそのまま引き継ぐ場合も、適用版と変更内容が書面で一致しているか確かめます。値段や納期が同じとは限らないため、版が決まった後に条件を見直します。

採用版と旧版を区別して残す

今回の注文が決まったら、採用したPDFまたは図面を注文番号と結び付け、承認者・承認日・供給元の回答・差分を一つの記録にします。旧版は経緯の参照用として残し、現場が誤って「発注に使う版」として開かないよう、表示と保管場所を分けます。組織の保存期間やアクセス権は社内の規則に従います。

採用版の記録欄 K-8の記入例 確定の条件
製品・文書番号 TS-42/DS-42 見積・図面・発注書で一致
採用Rev.と発行日 Rev.02またはRev.03、回答待ち 供給元の適用回答を記録
変更点 ハトメ間隔500mm/450mm 社内の採否と図面を確認
注文番号・承認者 今回の注文番号は未定 確定後に採用版へ結び付ける

架空TS-42で品番、仕様書DS-42の採用Rev.、発行日、変更点、注文番号と承認者を一組で残す記録票

図を拡大して見る。この段階では採用Rev.は回答待ち。例の番号や変更点は実製品の記録ではありません。

供給元へ二つの版と差分を添えて確認する

相談時は、対象品の品番、手元にある各仕様書の文書番号・Rev.・発行日、見積番号、異なる箇所、必要数量と使用開始日を送ります。「Rev.03は正式に発行済みで、今回の見積・発注に適用されますか。Rev.02とのハトメ間隔の違いと、図面・価格・納期への影響を教えてください」と尋ねると、版だけの回答で終わりません。

法人向け資材調達の案内を確認し、手元の資料と差分はお問い合わせからお知らせください。取扱可否を確認したうえで、供給元への仕様照会、変更への対応、納期を個別にご案内します。

参考資料・出典

  1. ISO/TC 46/SC 11「Guidance for implementing documented information clause using processes and controls of ISO 30301:2019」:文書の識別、レビュー・承認、変更・版管理の一般的な考え方。確認日:2026年9月26日。K-8や当社の認証・製品仕様を示さない。
  2. Microsoft Learn「バージョン履歴の概要」:SharePoint/OneDriveの過去版の表示・比較、変更者と変更時期の追跡。確認日:2026年9月26日。供給元の仕様書承認や今回の適用版を決める資料ではない。

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