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COLUMN 資材選びのコラム

在庫があるのに足りない?使用予定分を分ける管理方法

この記事の目次

架空倉庫K-7の養生シート80枚から状態確認待ち6枚と引当済み55枚を分け、いま払い出せる19枚を示す図

倉庫の一覧に80枚と出ているのに、新しい現場へ30枚を渡せない。こんなときは、現物数だけで発注を決めず、状態確認待ちの数、他現場へ引き当てた数、まだ届いていない注文を別々に見ます。「倉庫にある数」と「いま新たに払い出せる数」は同じではありません。

以下は架空の倉庫K-7で、同じ品番・寸法の未使用養生シートを管理する例です。数・日付・状態は説明用で、当社商品の在庫や納期ではありません。何枚で再注文するかという発注点の設定は在庫切れを防ぐ発注点の考え方で扱います。本稿は、現在の現物から誰に何枚渡せるかを確定する記録に絞ります。

80枚の現物から状態確認待ち6枚を先に分ける

10月1日の棚卸時、K-7には対象品番のシートが80枚あります。このうち6枚は汚れや破れを見つけ、用途への適合を未確認のため隔離したと仮定します。残る使用可能と確認した現物は80-6=74枚です。6枚を廃棄と決めた意味ではありません。確認が終わるまでは、新しい現場に渡せる数へ入れない扱いです。

別の寸法・ハトメ位置のシートが棚の近くにあっても、品名だけで合算しません。品番、仕様、保管場所、数量、状態を同じ行に記録します。中小企業基盤整備機構のJ-Net21は、品目ごとの保管場所を明確にし、入出荷のたびに品目・日時・数量を台帳へ記録する方法を示しています。[1]

K-7の10月1日時点 数量 扱い
棚にある対象品の現物 80枚 同じ品番・寸法を現物確認
状態確認待ち 6枚 使用可能とは数えず、別に隔離
使用可能と確認した現物 74枚 80-6
A・B現場へ引当済み 55枚 35+20。まだ出庫していない
新たに払い出せる現物 19枚 74-55

引当先と必要日を一行ずつ記録する

使用可能な74枚のうち、A現場へ35枚を10月2日、B現場へ20枚を10月4日に渡す予約が確定しているとします。この55枚はまだ倉庫にあっても、C現場の新しい依頼へ重ねて約束できません。新たに引き当てられるのは74-35-20=19枚です。

Microsoftの手持在庫の説明でも、現物、引当済み現物、引当可能な現物、発注済み数量を別の列として扱っています。[2] K-7では専用システムの利用を前提にせず、共有表でも「依頼先・品番・数量・必要日・引当状態・更新者」を区別します。

K-7の依頼 数量 必要日 10月1日の扱い
A現場 35枚 10月2日 現物74枚のうち引当済み
B現場 20枚 10月4日 現物74枚のうち引当済み
C現場 30枚 10月5日 新規依頼。まだ30枚は引き当てない

架空K-7の現物80枚から状態確認待ち6枚とA・B現場引当55枚を分け、C現場へ今すぐ渡せる19枚と不足11枚を示す図

図を拡大して見る。C現場の30枚はまだ確保できていない依頼です。A・Bの予約済み55枚へ重ねて数えません。

出庫したら現物と引当を同時に直す

A現場へ35枚を実際に出した後は、K-7の現物が80-35=45枚になります。同時にA向けの引当35枚を「出庫済み」に変えて、残る引当をB向け20枚にします。状態確認待ち6枚がそのままなら、払い出せる数は45-6-20=19枚。出庫前の19枚と一致します。

現物を45枚へ減らしたのに、Aの引当35枚も残したままだと、Aの出庫を二重に差し引きます。反対に現物だけを先に数え直さなければ、すでに渡した35枚を新しい依頼へ再び割り当てかねません。日付、数量、引当番号、更新者をそろえて更新します。

未入荷の注文は到着日と受入れ後の状態を見る

K-7には同じ仕様の追加注文が二つあるとします。12枚は10月3日着の予定、20枚は10月8日着の予定です。どちらも10月1日には現物80枚に含めません。C現場の必要日は10月5日なので、10月8日着予定の20枚を先に足して「足りる」とは判断できません。

中小機構の購買管理の解説は、未入荷の数量と時期を見えなくすると二重発注や注文不足につながると説明しています。[3] 予定があるだけでは使用可能な現物にならず、納品先への到着、品番・数量・状態の受入確認を経て台帳へ加えます。納品予定日の回答が暫定か確定かも、注文番号とともに控えます。

未入荷の注文 入荷予定 C現場の10月5日に使う判断
同仕様12枚 10月3日 期限前。実際の到着・受入れ完了後に加算
同仕様20枚 10月8日 期限後。10月5日の必要分には加算しない

C現場30枚の不足11枚を条件付きで見直す

10月1日に確実に払い出せるのは19枚なので、C現場の依頼30枚には11枚不足します。10月3日予定の12枚が同仕様で届き、検品を終えて使用可能なら、19+12=31枚。C向け30枚を引き当てた後の自由な現物は1枚です。一方、その12枚を必要日までに1枚も受け入れられなければ、不足11枚が残ります。一部だけ届いた場合は、実際に使用可能と確認した数で不足分を計算し直します。

予定入荷12枚を「もうある」としてA・B・Cへ二重に割り振らないよう、入荷前は予定欄に置きます。10月3日の到着可否を仕入先に確かめ、未確定なら不足11枚について代替の手配や必要日の調整を早めに相談します。他拠点から移す場合も、その拠点で既に引き当てた分を勝手に使わず、移送後に使える日まで照合します。

架空K-7で10月5日のC現場必要30枚に対し現物19枚と10月3日予定12枚を分け、10月8日予定20枚は期限後と示す図

図を拡大して見る。予定12枚は受入れ完了まで確定した使用可能在庫ではありません。

状態確認待ち6枚は現物と用途を確認して扱いを決める

汚れや破れがある6枚は、使えないと確定した場合と、点検後に用途を限定して使える場合とで処理が変わります。現場へ渡してよいか、補修や処分が必要かを、現物と用途を確認できる担当者が決めます。10月1日時点の台帳では「現物80枚」に含め、「使用可能74枚」からは外しておけば、同じ6枚を見失いません。

品番違いも同様に、見た目で代用可能と決めず、必要な寸法・厚み・加工と照合します。ここでの6枚は製品の使用基準を定める数字ではなく、K-7の架空の状態区分です。

共有表には更新時刻と発注相談に必要な数を残す

購買と現場が同じ表を見るときは、品番・仕様、倉庫、現物、状態確認待ち、引当先と必要日、未入荷注文番号と予定日、更新時刻を一緒に示します。K-7なら「10月1日、現物80・使用可能74・引当55・自由19・C必要30・現時点の不足11」と伝えられます。10月3日に12枚を受け入れたら、その時刻で再計算します。

新たに何枚注文すべきかは、別途、使用量や調達期間を入れて判断します。今回の不足11枚だけで一律の発注数量を決めません。法人向けの資材調達案内を確認し、必要日、仕様、手元の自由在庫、未入荷注文の状況をお問い合わせでお知らせください。実際の取扱い、販売単位、在庫、納期は案件ごとの確認が必要です。

参考資料・出典

  1. 独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21「現場での在庫管理の方法と、適正な在庫量の考え方について教えてください。」:保管場所と品目別の入出荷記録。確認日:2026年9月26日。K-7の数量やシートの使用可否を示さない。
  2. Microsoft Learn「On-hand inventory list(手持在庫一覧・英語)」:現物、現物引当、引当可能現物、発注済み数量を分ける在庫管理上の概念。確認日:2026年9月26日。特定システムの画面説明であり、K-7にそのシステムを導入した意味ではない。
  3. 独立行政法人中小企業基盤整備機構「発注仕入(購買)管理システム」:未入荷数量と時期の把握、入荷時の検品。確認日:2026年9月26日。K-7の納品日や当社の手配条件を示さない。

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