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COLUMN 資材選びのコラム

建築用シートの原反と縫製済み品を比べるには

この記事の目次

建築用シートを原反で調達する経路と縫製済みで調達する経路を、加工・表示・使用可能日で比べる図

原反ロールの単価が安く見えても、現場が必要とするのが縁を仕上げ、固定部と指定された表示を備えた建築用シートなら、材料の納品だけでは調達が終わりません。誰が裁断・縫製し、完成品の仕様と表示を確認して、いつ現場へ渡すかまで決めて、原反案と縫製済み品案を比べます。とくに工事用シートの防炎表示が指定されている案件では、原反の表示を完成品の表示と同じものとして扱えません。

まず「現場で使える一枚」の完成条件を決める

原反は加工前の生地、縫製済み品は決められた寸法や端部加工を施した品です。萩原工業は自社の案内で、クロス・ロールには周囲補強ロープやハトメがなく、シートにはそれらの加工があると説明しています[1]。原反を仕入れて現場で切れば、縫製済み品と自動的に同じ条件にはなりません。

完成条件は、仕上がりの幅・長さと枚数、継ぎの位置、四辺の仕上げ、補強、ハトメなどの固定部、必要な表示と提出資料に分けます。萩原工業は周囲折返し・ハトメ付き、折返しのみ、切りっぱなしなどの加工例を示しています[2]。どの加工を指定するかは、現場の取付先と候補生地の製作条件によります。当社へご相談の際は、希望する加工と候補生地をお知らせください。製作先に対応範囲を確認します。

完成条件 原反案で決める担当と工程 縫製済み品案で照合するもの
仕上がり寸法・枚数 裁断・継ぎ・縫製の製作先と検品者 品番ごとの実寸と納品枚数
四辺・固定部 補強とハトメの位置を加工図にする担当 周囲加工・ハトメ仕様が現場図と合うか
指定された表示・資料 加工後の表示を誰がどの品に付け、資料をどう対応させるか 届く完成品の表示と資料が注文品に対応するか
使用可能日 材料入荷、加工、表示確認、現場搬入の順序 完成品の納期、荷受け後の確認日

建築用シートの完成寸法・端部・固定部・表示を、原反案と縫製済み品案の担当工程に割り振る図

調達と加工の担当を決める模式図です。特定品番の加工方法や表示の適合を示しません。 図を拡大して見る

防炎表示が指定されたら、原反から完成品までの経路を確認

工事用シートの防炎表示を現場が求める場合、日本防炎協会が示す材料ラベルと物品ラベルの違いを発注経路に反映します。同協会は、材料ラベルを加工前の原反などに、物品ラベルを完成品に付ける区分とし、工事用シートでは材料ラベルは縫付、物品ラベルは溶着または縫付と案内しています[3]。さらに、防炎表示を付けられるのは登録表示者に限ると説明しています。原反に材料ラベルがあるだけで、現場が裁断・縫製した後の完成品表示まで確保できるとは言えません。

そこで原反案では、原反の品番と材料表示→加工する事業者→完成したシートの品番・表示・資料を一本の経路として回答してもらいます。表示や加工方法を現場で任意に補う前提を置かず、候補を扱う販売先と加工先に対応範囲を確認してください。縫製済み品案でも、商品名に「防炎」とあれば十分ではなく、注文する完成品の表示と現場指定を照合します。個別現場で何の表示・資料が必要かは提出先の指定を確認します。

使う場所や必要な表示・規格・提出資料は、白防炎シートの商品ページを手がかりに商品ごとにご相談ください。ご注文前に、候補品のラベル・提出資料と、必要な加工への対応を確認します。

架空G-7:原反案の加工先が未定なら、手配を保留する

説明用の架空案件G-7では、現場から「指定実寸で四辺を補強し、固定部を備えた工事用シートの完成品。防炎表示と資料を納品前に確認したい」という指示が出たとします。原反案の見積には材料品番とロール価格がありますが、裁断・縫製を担う事業者、加工後の表示、完成までの日程は空欄です。一方、縫製済み品案には完成寸法の候補があるものの、表示と納期の回答待ちです。

G-7の確認欄 原反案 縫製済み品案
加工・完成仕様 加工先と図面が未確定。裁断・縫製・固定部の見積待ち 候補品番の完成実寸・端部・固定部を照合
表示・資料 原反資料から完成品までの対応と表示者を確認 届く候補品の表示と資料の対象を確認
使える日と費用 材料入荷後の加工・確認・搬入日、各費用を追加 完成品の納期、追加加工の有無、配送費を確認
今の判断 完成品までの経路がないため保留 回答がそろえば比較対象にする

G-7で原反案をすぐ発注すると、ロールは届いても必要な完成品を準備できない可能性があります。加工先と表示の経路が明らかになり、現場指定と使用開始日を満たせるなら、原反案も比較に戻せます。縫製済み品案も表示と納期の回答が出るまで採用確定ではありません。どちらかを価格だけで先に決めないことが、この案件の結論です。

架空G-7の原反案と縫製済み品案で、加工先・完成品表示・使用可能日を照合し未回答を残す表

G-7は架空の調達例です。価格、納期、表示の適合を示す実績ではありません。 図を拡大して見る

金額と日程は「使える状態に届くまで」で並べる

原反案の金額は材料代だけでなく、裁断、継ぎ・縫製、端部・固定部、表示対応、検品、材料と完成品の配送までの見積欄をそろえます。縫製済み品案も、完成品代、必要な追加加工、配送、受入時の確認を入れます。材料費と完成品代だけを比較すると、発注する範囲が異なります。費用の算定前に、誰がどの工程を請け負うかを書いてください。

日程も、原反の出荷日ではなく、加工先へ届く日、製作完了、表示・資料確認、現場に搬入できる日を順に並べます。縫製済み品は候補品の出荷日と現場受入日を確認します。加工可能な原反幅・巻長、できる枚数や加工費は品番と製作先で異なるため、公開資料の数値をG-7へ当てはめません。

用途・性能・寸法から考えるポイントは建築用シートの選び方にまとめています。お問い合わせに現場の指定文、完成寸法と枚数、加工・固定部の図、必要な表示と資料名、希望する使用開始日を添え、原反案なら加工先と完成品までの対応、縫製済み品案なら品番別の仕上がりと納期を確認してください。

参考資料・出典

  1. 萩原工業「シート・クロス・ロールの違い」(2026年9月25日確認)。原反と周囲補強・ハトメのある完成シートの違いを参照。
  2. 萩原工業「シートの周囲加工、ハトメの種類」(2026年9月25日確認)。同社の周囲加工の区分を参照。当社の加工対応を示さない。
  3. 日本防炎協会「防炎表示と防炎ラベル」(2026年9月25日確認)。材料・物品ラベル、工事用シートの表示方法、登録表示者を参照。

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