本文へスキップ
COLUMN 資材選びのコラム

左右非対称のトラックシートを注文するときの伝え方

この記事の目次

架空車両H-6の左後だけの補強候補と右前だけの追加ハトメ候補を、進行方向とシート外面を固定して示す図

トラックの片側だけに金具や固定点があると、シートの補強やハトメを左右同じにできないことがあります。「左後を補強」「右前に穴」とだけ伝えると、見る向きやシートの表裏によって逆に受け取られかねません。車両の進行方向を前と定め、車両上の位置と、外面を上にした完成シート上の加工候補を別々に示すのが出発点です。

以下は架空車両H-6の説明用の配置で、実車の採寸結果や当社の加工仕様ではありません。シート全体の寸法の決め方はトラックシートの採寸方法で扱います。本稿は片側だけの加工を左右逆・表裏逆に伝えない方法に絞ります。

前後左右は車両の進行方向で固定する

H-6では進行方向を「前」とし、車両に乗って前を見る向きの左・右を使います。図面は「シートを掛けた状態を上方から見下ろした図」と明記し、前を紙の上に置きます。この図なら紙の左が車両左、紙の右が車両右です。後ろから撮った写真を並べるときも、写真の撮影位置と車両の前矢印を記し、紙面上の左右だけで判断しません。

図・写真 H-6で記す向き 読み違いを防ぐ注記
車両の上面図 前↑、車両左は紙の左、車両右は紙の右 車両番号H-6と「上方から見下ろした図」
左側面の写真 車両左側から撮影、前方を矢印で示す 左後の金具をL1と記す
右側面の写真 車両右側から撮影、前方を矢印で示す 右前の固定点をR1と記す
完成シートの平置き図 外面を上、前端↑ 左後候補と右前候補を別記号にする

車両左後L1と右前R1を別の加工候補にする

H-6では、車両左後の金具L1付近にシートが当たり、車両右前には既存の固定点R1が一つある、と仮定します。L1に対応する場所には片側だけの補強、R1に対応する場所には追加ハトメを候補として製作先へ相談します。金具の形状、シートの掛け始め、荷姿を見ていない段階で、補強寸法や穴位置を確定しません。

武田商会はトラックシートのオーダー加工としてハトメ変更や部分補強などを紹介しています。[1] H-6では、実車の写真と掛け方をもとに、必要な加工と対応の可否を個別に確認します。

車両で確認した場所 現場写真につける印 製作図に相談する内容
車両左後の金具 L1、左側面と後方の写真 シート左後の補強範囲・方法を検討
車両右前の固定点 R1、右側面と前方の写真 シート右前のハトメ位置・周囲加工を検討
左右で共通の部分 前端、後端、既存の固定点 同じままにする位置も図で確認

加工位置は完成シートの外端から別に書く

図に候補位置を伝える場合は、車両の金具位置の数値をそのままシートの加工寸法へ写しません。シートは荷の高さや掛け方に沿って移動するためです。H-6の架空の製作案として、完成シート外端を縦4,200mm×横2,800mmと置き、外面を上にした平置き図に次の値を書きます。

左後の補強候補は「完成シートの後端から100~400mm、左端から100~300mm」の長方形で、前後300mm×左右200mmの範囲です。右前の追加ハトメ候補S-R1は「前端から650mm、右端から120mmの交点」を中心とします。これは位置を一意に伝える記入例であり、H-6に適合すると確認した寸法ではありません。製作先には写真と掛け方から対応位置を確認し、加工図を直してもらいます。

高木内張は、希望するトラックシートの形状に合う専用図面を選び、寸法や要望の詳細を書いて見積もりを依頼する方法を案内しています。[2] 白石帆布縫製工業の注文記入例も、フロント/リアを分け、オプション加工の寸法をシート図に書く形式です。[3] H-6の座標値は両社の規格ではありません。

架空H-6の外面を上にした完成シート図で前を上、左後の補強候補と右前の追加ハトメ候補を区別する図

図を拡大して見る。前後・左右・外面を固定した模式図です。寸法は説明用で、加工前に製作先の図を確認します。

左右反転と180度回転を図で点検する

平置き図を左右反転して読めば、左後L1の補強は右後に、右前R1のハトメは左前に移ります。180度回して前後を逆にすれば、L1は右前、R1は左後へ移ります。どちらもH-6の指定と違います。補強と穴の位置が「どちらかの角にある」だけでは合格にしません。

前端と車両左を示す矢印を図の余白に置き、L1とR1の二点を車両写真と順に照合します。シートを製作する際の縫い代・折り返し・補強の面によって見た目が変わる可能性もあるため、裏側から見た図を使うなら「裏面から見た図」と別に書き、外面図との対応を製作先に確認します。

写真では「車両上の点」と「布上の点」を分ける

L1は車両の金具、R1は車両の固定点を指します。シート側の補強範囲やハトメ中心は別の記号、例えばS-L1とS-R1にします。同じ文字を車両と布の両方に付けると、車両の金具から測った650mmを布端からの650mmとして誤読することがあります。

写真は車両全体が分かる上面・左右側面と、L1・R1の近接を一組にします。各写真に撮影位置、前方矢印、対象点、撮影時の荷姿を記し、製作図に同じ記号を付けます。写真上の長さは遠近で変わるため、写真だけで加工位置を測らず、別に測った基準点と単位を添えます。

完成図では表裏・記号・左右別加工を照合する

製作先から図を受け取ったら、図の視点が「外面を上にした平置き」か「裏面を上にした平置き」か、前端はどちらか、左後補強と右前ハトメがそれぞれS-L1・S-R1として載っているか見ます。位置の数値だけでなく、加工する面、範囲、縁からの基準を確認します。提案図が左右対称の標準図から始まる場合、片側だけの差が反映された版まで確認してください。

承認前の照合欄 H-6で見ること 未一致なら伝えること
視点・向き 外面を上、前端↑、車両左/右 図の向きと表裏を明記して再提示
左後の補強候補S-L1 車両左後L1の写真と対応 範囲・面・寸法の基準を質問
右前のハトメ候補S-R1 車両右前R1の写真と対応 穴中心・縁からの寸法を質問
完成寸法・掛け方 荷姿と固定点で必要範囲を覆うか シート外端寸法を製作先と再確認
図面の版 修正後の同じ版を全担当者が見る 古い左右対称図を製作へ回さない

架空H-6の車両写真L1・R1と完成シート図S-L1・S-R1を、前後左右と外面の向きで照合する確認票

図を拡大して見る。車両上の点とシート上の加工点を別記号で対応させる例です。

加工候補と未確認事項を添えて相談する

車両H-6のような案件では、車両型式・荷台と積み荷、現用シート、左後L1と右前R1の写真、前方矢印入りの上面図、外面を上にしたシート案、数量と必要時期を送ります。補強や追加ハトメの寸法は「候補」と示し、製作先が現車・荷姿・固定方法に照らして加工位置と可否を確認できるようにします。自社で車両側の金具を変更する判断と、シート加工の見積もりは分けます。

トラックシートの商品ページで完成寸法と加工の相談項目を確認し、写真・図面はお問い合わせからお知らせください。当社が対応できる加工、完成寸法、価格・送料・納期は個別に回答します。図面の左右・表裏と実車写真が揃ってから発注条件を決めます。

参考資料・出典

  1. 株式会社武田商会「トラックシート」:ハトメ変更、部分補強などのオーダー加工の例。確認日:2026年9月26日。同社の対応であり当社の製作能力やH-6の寸法を示さない。
  2. 株式会社高木内張「注文方法」:形状別の専用図面へ寸法と要望を記して見積もる方法。確認日:2026年9月26日。H-6の形状や加工可否を示さない。
  3. 白石帆布縫製工業株式会社「トラックシート注文記入例」:フロント/リア、左右のハトメとシート図中のオプション加工寸法欄。確認日:2026年9月26日。同社の様式でありH-6の製作図ではない。

関連するテーマから探す

すべてのタグを見る
コラム一覧へ戻る取扱商品を見る
電話する資材の相談・見積もり