トラックシートの製作図に「前から900mm」と書かれていても、別の図で「後ろから900mm」となっていれば、基準が違うため、同じ固定点を指すか確認が必要です。前後左右、どこからどこまで測った値か、荷台寸法と完成シート寸法のどちらかを図ごとに照合し、食い違いを修正した版を承認します。
ここでは、架空の車両T-4の図面を例に、上面図と右側面図を照らし合わせます。T-4、寸法、固定点K1、改訂A・Bは説明用で、実車や当社の製作図ではありません。ハトメや補強の種類を選ぶ全体の考え方はトラック・コンテナシートのハトメと補強加工で扱います。この記事は承認前に向きと寸法の取り違えを見つける読み方に絞ります。
図を読む前に、前・後・右・左を固定する
架空T-4の図では、運転席側を「前」、車両を上から見て前を図の左、車両右側を図の上と定めます。側面図は「車両右側から見た図」と明記し、前が図の右、後ろが図の左になるように描きます。上面図とは紙面上の前後が逆になるため、F(前端)・R(後端)の記号を追って照合します。図が回転していたり、左右どちら側から見た図か書かれていなかったりすると、固定点を反対側に読み違えます。
最初に図面番号、改訂、対象車両、上面図と側面図の視点を見ます。写真には「車両前方」「右側面」の矢印を加え、図と同じ向きに並べると質問しやすくなります。形状が台形や羽根付きなら、どちらが前の幅で、どちらが後ろの幅かも必要です。トラックシート製作会社の高木内張は、形状ごとの専用図面へ寸法を記入し、台形の場合はフロント側とリア側の横幅をそれぞれ採寸するよう案内しています。[1] 使用する製作図でも、前後の幅とそれぞれの測定基準を確認します。
上面図のK1と右側面図のK1を同じ点として追う
T-4の架空の荷台長さを4,000mm、幅を2,200mmとします。車両右側の固定点K1について、提示された改訂Aの上面図は「前端から900mm」、右側面図は「後端から900mm」と書いてある設定です。荷台の同じ前後端を基準にすると、側面図の値は前端から4,000-900=3,100mm。上面図の900mmとは2,200mm離れた別の位置になります。数値の「900」が一致していても、基準が違えば承認できません。
| 改訂Aの図 | K1の記載 | 前端から見た位置 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 荷台の上面図 | 前端から900mm、車両右側 | 900mm | 基準を示している |
| 車両右側面図 | 後端から900mm、車両右側 | 3,100mm | 上面図と不一致 |
| 確認後の修正依頼 | K1はどちらの位置か現車・架装担当へ確認 | 未確定 | 回答を得るまで図を承認しない |
図を拡大して見る。二つの900mmは基準が反対です。図は説明用の模式図で、製作寸法ではありません。
改訂Aを見て片方を勝手に正しいと決めず、車両担当と架装担当へK1の現物位置を確認します。固定点K1は車両側の位置です。平らに広げた完成シート上のハトメ位置へ移すには、掛け方や垂らし方も考慮した製作側の図が必要です。車両上の900mmを、そのままシート外端からのハトメ位置とは扱いません。
寸法は、基準点・終点・単位を組にして読む
「長さ4,000」「K1まで900」だけでは、荷台の内側・外側のどの端から測ったか、単位がmmかどうか判断できません。図中の各寸法に始点と終点の矢印があるか見ます。K1なら「荷台の前端Fから車両右側の固定点K1の中心まで、前後方向に900mm」と文章でも確認します。測定基準が不明なら、数値を推測せず空欄へ戻して質問します。
武田商会が公開するトラックの測定図には、幅外寸、鳥居高、煽高など測定箇所が分かれており、寸法をmmで記入する指定があります。[2] 使用する図面にも、測った場所と単位を記入して製作先と照合します。
| 値の種類 | T-4の架空例 | 製作図で見る欄 |
|---|---|---|
| 荷台の測定値 | 長さ4,000mm・幅2,200mm | どの端から端までか、内法か外法か |
| 車両の固定点 | 右側K1、前端Fから900mm | 上面図と右側面図の同じ点か |
| 完成シートの寸法案 | 長さ4,800mm・幅3,000mm | 平らに広げた外端から外端か |
| シートの加工位置 | K1に対応するハトメは要確認 | シート上の位置・基準・加工内容 |
荷台寸法と完成シート寸法を混ぜない
荷台長さ4,000mm・幅2,200mmは、車両側を測った架空の値です。別に、完成シートの外端から外端までを長さ4,800mm・幅3,000mmとする案が図にあるとします。荷物の高さ、覆う範囲、垂らす長さ、留め方で必要な完成寸法は変わるため、荷台の測定値をそのまま完成シートの注文寸法に置き換えないでください。
当社のトラックシート商品ページも荷台を測る値と、平らに広げた完成シートの縦横を分けて案内しています。ページ上の模式図は個別車両の裁断図ではありません。T-4の4,800×3,000mmも適合を確認した値ではなく、現車と掛け方の照合を待つ提案値です。
修正は改訂欄と図中の両方へ残す
現車の確認で「K1は車両右側、前端Fから900mm」が正しいと判明したと仮定します。改訂Aの右側面図の「後端から900mm」に線を引いて終わらせず、修正箇所をK1の記号で特定し、改訂Bの上面図・右側面図の両方を『前端Fから900mm』に揃えるよう依頼します。口頭連絡やメール本文だけに修正を残すと、古い図面が製作に回るおそれがあります。
| 改訂欄に残す項目 | 架空T-4の記入例 |
|---|---|
| 対象と旧版 | 車両T-4/製作図 改訂A |
| 食い違い | 右側K1:上面図は前端Fから900mm、右側面図は後端Rから900mm |
| 確認結果 | 現車・架装担当へ確認し、K1は前端Fから900mmとする |
| 新版と未決事項 | 改訂Bで両図の基準を統一。完成シート寸法案とK1対応ハトメ位置は別途確認 |
図を拡大して見る。改訂Bは説明用の修正例です。完成シート寸法・ハトメ位置はこの図だけでは確定しません。
改訂Bを受け取ったら、旧版が混ざらないよう製作先と社内担当が同じ図面番号・改訂を見ているか確認します。修正した箇所の近くに必要な注記が残っているかも見ます。
固定加工と表裏の向きまで、最終図で確かめる
K1の向きが揃っても、ハトメ、ペケット、補強、前方ロープ、センターラインの指定がどの辺・面に付くかは別の確認です。図で右側と示した加工が左側に移っていないか、表から見た位置と裏から見た位置を取り違えていないか確認します。ハトメ穴の中心、縁からの距離、間隔を指定する場合は、その基準と単位を製作先の図に記入してもらいます。
車両の固定具や現物写真に番号を付け、製作図の記号と対応させると質問が具体的になります。加工の必要性や取付方法は車両・架装・製作の担当者で判断してください。図にない強度や走行時の安全性を、この模式図から推定しないでください。
承認前に送る資料と、返答を待つ項目
当社へ相談する場合は、対象車両、荷台の測定箇所と単位、上面・左右側面の写真、現行シートと固定点、希望する完成寸法案、数量と必要時期を揃えてください。改訂Aのような食い違いがあれば、K1などの記号と図面の版を添え、どちらの基準が正しいか未確認と書いてご相談ください。トラックシートの商品ページから寸法・加工の相談ができます。資料が途中ならお問い合わせへ分かる範囲をお知らせください。
当社がご案内する生地、対応可能な加工、完成寸法、価格・送料・納期は、車両・用途と製作条件を確認して回答します。承認するのは、前後左右・基準点・単位と、完成シート・加工の未決事項が解消された最新版の図です。
参考資料・出典
- 株式会社高木内張「注文方法」:形状ごとの専用図面への記入、荷台の縦横と台形の前後幅の採寸。確認日:2026年9月26日。
- 株式会社武田商会「トラックの測定図(PDF)」:煽高、鳥居高、幅外寸などの測定欄とmm指定。確認日:2026年9月26日。






