荷台の長さと幅が同じ二台でも、鳥居の高さや前端の作りが異なれば、一枚のトラックシートを同じようには掛けられない場合があります。車両ごとに、シートの前端をどこまで覆うか、鳥居の頂部から後端まで布が通る経路、ステーなどの干渉、固定位置を比べてから共用を判断します。 鳥居高の差をそのままシートの完成長に足す方法では、前端と後端の両方を確かめられません。
鳥居高と「前端の覆い方」を二台でそろえる
まず車両番号と架装を記録し、鳥居高を荷台面から鳥居の頂点まで同じ基準で測ります。前側にステーやキャリア用のパイプがあれば、鳥居の高さだけでなく、布が当たる位置も写真で示します。鳥居の上だけに掛けるのか、前面まで覆うのか、袋状の前端を使うのかで、布の通る経路と前端の固定方法が変わります。
武田商会の採寸案内では、車両の外寸・幅外寸・あおり高に加え、鳥居高・鳥居周囲・鳥居天幅を別々に測っています[1]。これは同社の採寸方法です。自社の二台を比べる際も「鳥居高900mm」だけで済ませず、頂部の幅・角の形・前面で覆いたい範囲を分けて残すと、どこが違うか伝えやすくなります。
| 車両ごとに記録する欄 | 測る・撮る基準 | 共用時の確認 |
|---|---|---|
| 荷台と鳥居 | 荷台面から鳥居頂点、鳥居を含む前後外寸、頂部の幅と形 | 同じシートがどこから上面へ移るか |
| 前端の目標線 | 前側で布端を置きたい位置と、鳥居を覆う範囲 | 二台で掛け始め・固定方法が違わないか |
| 後端の目標線 | 荷姿をそろえ、後方で布端を置きたい位置 | 前側に布を使った後も届くか |
| 干渉・固定点 | ステー、パイプ、角、車体側の留め位置を写真に印付け | 布・ハトメ・前端加工が当たらないか |
荷台外寸の測り方、完成シート寸法、積み荷の高さは別の値です。完成寸法と荷姿・加工を分けて相談する際はトラックシート商品ページをご覧ください。二台の荷姿が異なるなら、それぞれの普段の荷を載せた状態でも前後左右の覆いを確認します。車両間の比較では、まず同じ荷姿を仮定した値と、実際の運用差を混ぜないことが大切です。
架空H-10・H-12:同じ荷台長でも布の経路を比べる
説明用の二台H-10・H-12は、荷台の前後外寸をどちらも3,100mm、幅と荷姿も同じと仮定します。鳥居高だけH-10が900mm、H-12が1,200mmです。前面の同じ意味の目標線から鳥居を越え、荷の上を通って後方の目標線まで、仮の柔らかいメジャーで布が通る予定の経路を測ったことにします。その架空値をH-10で4,050mm、H-12で4,320mmと置きます。鳥居高の差300mmから経路差270mmを計算したものではありません。
手元の候補を、平らに広げた長さ4,150mmのシートと仮定すると、同じ前端位置に合わせた単純比較ではH-10に100mmの余り、H-12に170mmの不足が出ます。H-12にはそのまま共用できない見込みですが、H-10の100mmも適合の証明ではありません。 前端の形状、後端のかぶり、幅方向の余り、ハトメ・車体側固定点と角の擦れをまだ照合していないためです。数値と車両はすべて架空で、実車の必要寸法や製作寸法を示しません。
経路長は説明用の測定値です。鳥居高の差から完成シート長を算出する図ではありません。 図を拡大して見る
| 架空の比較値 | H-10 | H-12 |
|---|---|---|
| 荷台の前後外寸/鳥居高 | 3,100/900mm | 3,100/1,200mm |
| 前端目標線から後端目標線までの仮の経路 | 4,050mm | 4,320mm |
| 長さ4,150mmの候補との差 | 100mm余る計算 | 170mm足りない計算 |
| この段階の判断 | 経路長は足りるが前端・固定・幅は未確認 | 同じ前端位置では経路長が不足。形状・寸法を再検討 |
実測する場合は、同じ前端・後端の目標線を車両ごとに写真へ書き込みます。メジャーを無理に張って角や突起を無視した直線にせず、候補シートが通る位置に沿って測ってください。安全に測れない場所は「未測定」とし、車両図面と撮影できる写真を製作先へ渡します。
前端の形とステーへの干渉を、長さと分けて見る
関西自動車の鳥居掛けシートの例では、袋状に加工した前端のロープを絞って鳥居を覆い、長さは鳥居を覆う部分・荷台全長・後部のかぶりを分けて考えています。同社は鳥居のステーやシート用キャリアのパイプとの干渉にも注意を促しています[2]。前端加工の対応可否は、候補生地と車両ごとの図面・写真をもとに確認します。
二台のうち高い鳥居に合わせて単純に布を長くしても、低い鳥居の車両では前側に布が余ったり、角で折れが集中したりするかもしれません。反対に前端を浅く掛けて後端へ布を回すと、決めた前面の覆い範囲や固定方法を満たさない可能性があります。ステーの位置が一台だけ違えば、同じ鳥居高でも布・ハトメ・ロープの通し方を確認する必要があります。前端に袋加工や切欠きが要るかは、車両の写真と使用方法を示して個別に相談します。
荷台の採寸値と注文する完成シート寸法の違い、加工の可否を商品ごとに確認する手順はよくあるご質問にもまとめています。候補の完成寸法だけで「二台共用」と決めず、実際の前端と後端、左右の固定点を同じ順で照合します。
共用か専用品か、車両別の結論を残す
共用案を検討するときは、各車両で前端が決めた範囲を覆う/後端と左右が届く/角やステーに無理な干渉がない/固定点が合うという欄を埋めます。未確認があれば共用決定を保留します。H-10は経路長だけなら足りる計算ですが、前端・固定・幅が未確認。H-12は同じ前端位置では長さが不足する計算なので、候補シートをそのまま二台共用する案からは外し、形状変更や車両別仕様を相談する段階です。
架空の判断途中表です。候補シートの実車適合や走行時の固定安全性を示しません。 図を拡大して見る
共用できると確認された場合も、対応する車両番号、荷姿、シートの前後・表裏、完成寸法、前端の加工とハトメ位置を記録します。専用品に分けるなら、車両との取り違えを防ぐ表示と保管場所を決めます。どちらの案でも、積載条件と走行時の固定は車両・運送の担当者が実車で確認してください。
お問い合わせには、二台の車両番号と架装、鳥居高・周囲・頂部、前端と後端の目標線、干渉するステーや固定点の写真、荷姿、現用シートがあればその寸法・加工、希望枚数と時期を添えます。前端加工や共用案の製作可否、車両別仕様とした場合の価格・納期を確認し、決まった仕様を車両ごとに残してください。
参考資料・出典
- 武田商会「トラックシート」(2026年9月25日確認)。鳥居高・周囲・天幅を別々に測る同社の案内。
- 関西自動車「鳥居掛けトラックシート」(2026年9月25日確認)。前部しぼり、覆う長さとステー干渉の同社の例。






