角型のフレコンを使っていても、内容物を入れると胴が張り出し、通路や保管場所に収まらないことがあります。隔壁付きは形を保つための候補ですが、「隔壁付き」という名称だけで、予定量を入れたときの幅や、投入・排出のしやすさは決まりません。 まず必要な充填後外形を決め、次にその内容物が隔壁を通って入り、使う方法で排出できるかを分けて確認します。
この記事では、架空の現場R-11を使い、候補を比較するための記録を作ります。数値は説明用で、実製品の試験結果ではありません。丸型と角型の一般的な選び方は丸型と角型のフレコンの違いで扱います。ここでは隔壁構造を加える前に何を確かめるかに絞ります。
「四角く保ちたい」を充填後の最大外形に直す
R-11では、保管場所へ入る通路の最も狭い幅を仮に1,120mm、現用品の充填後に測った最大幅を1,160mmとします。同じ内容物・同じ充填質量で測った値だとすると、現用品は通路幅を40mm超えています。現用品の仕様書に本体幅1,000mmと記されていても、その値を通過時の幅へ置き換えられません。吊り部の張り出しや移動時に必要な余裕も別です。
隔壁付きの候補については、製品図の本体幅ではなく、予定する内容物と充填質量での最大胴幅・奥行・高さを確認します。通路だけでなく、袋を置く場所、向きを変える場所、充填設備の周囲で狭くなる箇所も測ります。必要な作業余裕は現場の設備・搬送方法で決めるもので、この記事の1,120mmを一律の許容幅にはできません。
メーカーのATEAは、四隅に縫い付けた内部の隔壁で充填後の四角い形を保つ製品構造を説明しています。[1] これは構造の一例です。候補の充填後外形が未確認なら、形状だけで採用を決めないのが最初の線引きです。
隔壁が「本体側」か「内袋側」かを図面で区別する
隔壁は一つの構造名で統一されていません。ATEAの製品紹介は、袋の四隅に縫い付けた内部の隔壁と、その穴・ネットを説明しています。[1] 一方、大村商会は、隔壁付きの内袋へ内容物を流し込み、バッグの胴を支える方式を紹介しています。[2] どちらも胴の膨らみを抑える狙いがありますが、隔壁の素材、外袋とのつなぎ方、内袋の有無は同じとは限りません。
見積書や図面に「隔壁付き」とだけあれば、隔壁がどこにあり、内容物が通る開口がどこにあるかを製作先へ聞きます。内袋が必要な内容物なら、外袋の隔壁と内袋の隔壁を混同しないことも大切です。粉漏れを防ぐ仕様、密閉、帯電への対応などは隔壁の有無から推定せず、別の要求項目として確認します。
図を拡大して見る。構造を比べるための模式図です。開口の数・位置・寸法や流動性能は、候補製品の図面で確認します。
充填時に内容物が四隅へ回る条件を聞く
隔壁で形を整えるには、内容物が袋の中央だけに偏らず、設計どおりに入ることが前提です。ATEAは、隔壁の穴やネットを通じて四隅へ内容物を通す構造を示しています。[1] 「穴がある」ことと、R-11の内容物がその穴を通って予定どおり広がることは別の確認です。
R-11の投入物を仮に樹脂ペレットとします。粒径のばらつき、湿り、投入速度、袋へ入れる質量が分からなければ、隔壁の開口の大きさや形が合うか判断できません。現用品で実際に片側へ寄る、隅が埋まりにくいなどの現象があれば、充填後の四方向の写真とあわせて記録します。別の内容物に変われば、同じ袋でも流れ方を再確認します。
製作先には、内容物の性状と予定質量、上部の投入方法、候補の隔壁・開口図を一組にして渡します。サンプルで確かめる場合も、現場の通常の充填条件に近い方法で、最大外形と四隅の入り方を同時に記録します。四角く見えることだけを試用結果にしません。
排出口と設備の接続も別に照合する
充填後の形が良くても、排出時に内容物が隔壁の内側に残る、内袋や口が設備に合わないなら、元の作業を置き換えられません。実際に排出する方法、設備の受け口と高さ、排出口の有無・形・寸法を先に書き出します。排出後にどこへ内容物が残るかは、候補の構造と内容物で確認する項目です。
メディアインターナショナルの製品案内には、隔壁付きのBF01と隔壁・漏れ防止のBF02が別の製品例として載り、どちらも本体寸法1,000×1,000×1,000H mm、投入口・排出口はそれぞれφ500×500H mmと記されています。[3] この数値は同社の掲載品の口寸法であり、隔壁の開口寸法ではありません。 「隔壁付き」の名称だけでは、口の形、漏れ防止の要否、実設備との接続を決められない例として読みます。
FIBCAの設計ガイドも、袋の形とは別に、内容物の性状、充填方法・設備、排出方法、口の寸法、荷役方法を記入する構成です。[4] R-11で底部排出を続けるなら、候補図面の投入口と排出口、実設備の受け口・吊り高さを照合し、内袋を使う場合は固定方法も製作先へ確認します。排出性能や残量を型式名から約束しません。
架空R-11で「採用前に止める条件」を残す
R-11の検討表は、埋まった欄と未確認の欄を混ぜないようにします。同じ内容物と充填質量で、現用品と候補品を比べるのが前提です。
| 比較項目 | R-11で分かっていること | 隔壁付き候補に求める確認 |
|---|---|---|
| 形状が必要な理由 | 通路の最狭幅は1,120mm。現用品の充填後最大幅は1,160mm | 予定条件での最大幅・奥行・高さと、現場で決める作業余裕 |
| 隔壁の構造 | 現用品の隔壁・内袋は未確認 | 本体側か内袋側か、隔壁の位置・開口・接合を示す図面 |
| 充填物と投入 | 樹脂ペレットを上部から投入する想定。粒径と投入速度は未記録 | 同じ内容物・質量で四隅まで入るか、充填後外形はどうか |
| 排出と設備 | 底部から排出する想定。設備の受け口図面は未受領 | 排出口・内袋の構造、受け口との位置・寸法、排出後の残り方 |
| 取扱い | 吊り方、袋の許容荷重、保管条件は候補ごとに未確認 | 候補の表示・仕様書と現場の使用方法の照合 |
この段階で分かるのは、現用品が通路幅より40mm大きいことと、隔壁付き候補を探す理由です。候補の充填後外形も、内容物の流れも、設備との接続も未確認なので、表の「採用」は空欄ではなく保留と記します。最大幅が通路内に収まるだけでも、吊り上げ・保管・排出の適合が自動的に決まるわけではありません。
図を拡大して見る。説明用の記録票です。現場の通路幅と袋の最大外形は同じ方向・条件で照合します。
図面と現場条件をそろえて相談する
相談時は、内容物と予定する一袋の質量・体積、粒径や湿りなどの性状、現用品の型式と充填後の写真・最大外形、通路・置き場の有効寸法、投入・排出設備の図面、吊り方と保管方法、必要数量・時期をまとめます。内袋の要否や漏れを抑えたい理由があれば、隔壁とは別の欄に書きます。製作先の図面では、隔壁の位置と開口、内袋の構造、投入口・排出口の寸法を確認します。
当社のフレコンバッグ・スタンドの商品一覧にはタイプ3、排出口全開タイプ、底部クロスタイプなどが掲載されています。隔壁付きの仕様をご希望の場合は、取扱い可否と製作条件を個別にお問い合わせください。 お問い合わせから、分かる範囲の図面・写真と未確認事項をお知らせください。形状が必要な理由と、投入・排出の条件を分けて伝えると、候補を探しやすくなります。
参考資料・出典
- ATEA「Formstable FIBC (Baffle)」:四隅の内部隔壁、穴・ネットによる内容物の通路。確認日:2026年9月26日。
- 株式会社大村商会「内袋の選び方」:隔壁付き内袋の構造と胴膨れを抑える狙い。確認日:2026年9月26日。
- メディアインターナショナル株式会社「フレコンバッグ製品案内」:BF01・BF02の参考製品図面一覧にある本体と投入口・排出口の表示寸法。確認日:2026年9月26日。
- FIBCA「FIBC Design Guide」:内容物、充填・排出方法、口寸法、荷役などを分けて整理する設計票。確認日:2026年9月26日。






