フレコンの袋本体に「1,000mm角」と書かれていても、充填後にパレットの上へ収まるとは限りません。内容物の入り方で底まわりや胴が広がるためです。空袋の公称寸法だけで選ばず、予定の内容物・充填量で底まわりの外形を確かめ、指定パレットの支持面・荷重条件と組み合わせて確認すると、はみ出しを発注前に見つけられます。
この記事は架空のフレコンF-12とパレット候補P1・P2で、寸法を照合する手順を示します。試験結果や当社取扱品の仕様ではありません。丸型と角型の一般的な違いは丸型と角型のフレコンの比較で扱います。本稿は充填後の底まわり外形と指定パレットの組合せに絞ります。
空袋の幅と充填後の底まわりを分ける
F-12の空袋の設計寸法を幅1,000mm×奥行1,000mmと仮定します。この値は平らな状態の袋本体の寸法で、内容物を入れた後にパレットへ接する底まわりの外形ではありません。充填物の粒度や流動性、投入量、袋の構造によって形が変わるため、用途に近い条件で実物または製作先の確認結果を見ます。底の接地部分と、底より上の胴で最も広い部分は別々に記録してください。
大村商会は、隔壁構造で充填後の胴膨れを抑えるバッグや、長方形パレットに合わせた角袋を紹介しています。[1] 山口包装工業も、隔壁付きの製品例で充填後の形状と1,100mm角パレットとの組合せを説明しています。[2] 丸型か角型かの名称だけで、充填後の外形は確定しません。 両社の製品の性能をF-12に当てはめることもできません。
| 寸法の種類 | F-12の架空の値 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 空袋の設計寸法 | 1,000×1,000mm | 製品仕様の本体寸法。充填後寸法ではない |
| 充填後の底まわり外形 | X方向1,120mm×Y方向1,060mm | パレット天面との照合に使う仮測定値 |
| 底より上の最大胴外形 | 別途測定 | 隣の荷や設備との干渉を確認する値 |
| 充填時の条件 | 内容物・質量・方法を記録 | 寸法が変わる条件を再現するため |
パレットは外寸だけでなく支持面を確認する
パレットのカタログ寸法は外形を表すことが多く、フレコンが実際に接する天面の形状や有効な支持範囲まで同じとは限りません。天面の隙間、縁、受け面の形を図面と実物で確認し、底がどこで支えられるかを見ます。パレットの損傷やたわみ、フォーク差込方向、保管・移動の条件も候補選びに関わります。
三甲のフレコン向けパレット製品は、外寸だけでなく静荷重と動荷重を別の数値で示しています。[3] F-12に使うパレットも、袋と内容物の総質量を、使用する状態に合うパレットの仕様で照合します。記事中のP1・P2には荷重定格を設定していないため、寸法が合っても使用可とは判断しません。
同じ向きにそろえてはみ出しを計算する
F-12の架空の充填後底まわり外形をX方向1,120mm、Y方向1,060mmとします。候補P1は外寸1,100×1,100mm、P2は1,200×1,100mmです。いずれもXとYを同じ方向にそろえ、単純に外形同士を引くと次の結果になります。
| 寸法照合 | P1:1,100×1,100mm | P2:1,200×1,100mm |
|---|---|---|
| X方向 | 1,100−1,120=−20mm | 1,200−1,120=80mm |
| Y方向 | 1,100−1,060=40mm | 1,100−1,060=40mm |
| 外形だけで見た状態 | X方向で合計20mmはみ出す | X/Yとも外寸内に収まる候補 |
| まだ必要な確認 | 支持面・位置・荷重条件 | 支持面・位置・荷重条件 |
P1で袋を中央に置いたと仮定すれば、X方向のはみ出しは左右各10mmです。片側に寄れば、はみ出し量も変わります。P2の80mmと40mmは、あくまで外形寸法の差です。P2の天面が袋底を連続して支えるか、荷重や移動方法に適合するかを確かめて初めて候補を絞れます。空袋の1,000mm角だけならP1に余裕があるように見える点が、この比較の落とし穴です。
図を拡大して見る。外形の引き算は候補の絞り込みで、支持面や安全性の判定ではありません。
底面形状と排出口・吊り部を一緒に見る
フレコンの底が平らなタイプか、排出口があるタイプかでも、パレットとの接し方や取扱いは変わります。排出口がパレット天面や隙間にどう当たるか、排出時にどの設備へ載せるかを、製品図と現場設備で確認します。底まわりのX/Yが収まっても、排出口が使えない組合せなら採用できません。
吊り部の位置とフォークリフトやクレーンの扱いも別の照合です。パレットに載る寸法だけで、吊り上げ、運搬、段積みの可否を判断しません。実際の取扱いは対象フレコンとパレットの表示・説明書、設備条件に従って確認します。
指定パレットとの組合せを記録する
取引先からパレット型式を指定されている場合は、その外寸・天面形状・荷重条件を先に取得します。新しいパレットを提案する余地がないなら、フレコン側の設計や充填量の調整が必要かもしれません。逆に袋の型式を変えられないなら、パレットの変更可否を確認します。どちらも勝手に代替せず、指定者と製作先の承認を得ます。
| 見積・試用の記録欄 | F-12の記入例 |
|---|---|
| フレコン | F-12、空袋設計1,000×1,000mm、底の構造と排出口を別記 |
| 充填条件 | 内容物・予定質量・充填方法・充填後の写真を添付 |
| 充填後の寸法 | 底まわりX1,120×Y1,060mm、胴の最大外形は未測定 |
| パレット候補 | P1外寸1,100×1,100mmはX方向ではみ出し、P2外寸1,200×1,100mmは寸法候補 |
| 未確認 | 両候補の有効支持面、静・動荷重、排出口、移動・保管条件 |
| 判断 | P1/P2とも採用未定。製品と設備の仕様を照合 |
図を拡大して見る。充填後の実測条件とパレット型式を結び、未確認を空欄にしない記入例です。
寸法候補を決めた後も使用条件を照合する
P2が外形寸法上は収まっても、そのまま発注・使用を確定しません。バッグの表示された許容荷重、内容物と充填量、パレットの静荷重・動荷重、フォーク差込、保管・運搬、段積みの条件は別に確認します。試用時は、底の接地・はみ出しと、側面の膨らみ・隣接物との距離を写真と数値で残します。
当社のフレコンバッグ商品一覧で候補を確認できます。袋本体の寸法だけではパレット適合を確定できないため、指定パレットの図面と充填条件を合わせて相談してください。
充填後外形と指定パレットを添えて相談する
相談時には、内容物、充填予定質量と方法、フレコンの型式・底の形状と排出口、空袋寸法、充填後の底まわりと最大胴外形、指定パレットの型式・外寸・天面図、保管・移動方法、数量と必要時期を添えます。まだ実物を充填していない場合は、測定済みと書かず「確認したい寸法」として製作先へ伝えます。お問い合わせから図面・写真と一緒にお知らせください。取扱い可能な袋とパレットの組合せ、価格・納期は個別に確認します。
参考資料・出典
- 株式会社大村商会「フレコンバッグ モデル一覧」:充填後の胴膨れを抑える構造、長方形パレットに合わせた角袋の製品例。確認日:2026年9月26日。同社製品例でありF-12の性能や当社の取扱いを示さない。
- 山口包装工業株式会社「隔壁付きフレコンの紹介」:隔壁付き製品の充填後形状と1,100mm角パレットへの寸法設計。確認日:2026年9月26日。同社製品の説明でありF-12の仕様ではない。
- 三甲株式会社「パレットLX-1114R2-5」:パレット製品に外寸と静荷重・動荷重が別々に表示される例。確認日:2026年9月26日。P1・P2の定格を示さない。






