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COLUMN 資材選びのコラム

原反シートの裁断ロスを減らす発注方法

この記事の目次

架空の1.8m幅原反で幅の異なる養生シートを組み合わせ、裁断長と残材を比べる図

原反から複数サイズの養生シートを作るときは、必要枚数をサイズ別に数えるだけでは巻数を決められません。完成後の実寸から裁断寸法を出し、同じ原反幅に並べられる組合せを描くと、必要な長さと巻数が分かります。残った原反はすべて廃棄とは限らないため、次に使える幅・長さと保管場所も発注前に決めます。

本稿は架空の資材ヤードY-2で、幅の違う二種類のシートを同じ長さで作る例です。寸法、枚数、加工代、裁断パターンは説明用であり、当社の製作仕様・見積ではありません。既製ブルーシートのまとめ買いで実寸、加工、梱包単位と総額を比べる判断は総合記事で扱います。ここでは原反の裁断図と残材の管理に絞ります。

完成寸法と、裁断前に必要な寸法を分ける

Y-2では、完成実寸を幅1.60m×長さ2.00mの大20枚、幅0.75m×長さ2.00mの小40枚と仮定します。四辺を同じ方法で仕上げ、各辺に仮に50mmずつ加工代を見込むなら、裁断前の大は1.70m×2.10m、小は0.85m×2.10mです。50mmは計算用の仮定で、製作先が必要とする折り返し・縫製寸法ではありません。

松山産業はシートを縫代を含めた寸法で裁断し、製作図に完成寸法や付属品位置を示す工程を紹介しています。[1] 萩原工業も、周囲を折り返すシートでは規格サイズと仕上がり実寸が異なる例を示しています。[2] 生地、縁の仕上げ、ハトメ・補強の有無で必要な加工代は変わるため、Y-2の数値を流用せず、完成実寸と裁断寸法を製作先に並べて確認します。

Y-2の説明用指定 完成実寸 四辺50mmの仮加工代を足した裁断寸法 数量
大 幅1.60m×長さ2.00m 幅1.70m×長さ2.10m 20枚
小 幅0.75m×長さ2.00m 幅0.85m×長さ2.10m 40枚

同じ原反幅に小を二枚並べる

熱田資材は養生用ブルーシート#2000原反の公開規格として、幅1.8m×長さ100mのBS-1800を案内しています。[3] Y-2ではこの幅1.8m×100mという寸法だけを架空計算の基準に使います。実際の発注では、材料の有効幅と裁断加工の可否を確認します。

大は裁断幅1.70mなので、1.8m幅に一枚ずつ置きます。20枚×裁断長2.10mで42mです。小は0.85mを二枚並べると1.70mとなり、40枚を20組にできます。20組×2.10mで42m。二種類を合わせた使用長は84mで、幅1.8m×100m巻の表示長さに収まる計算です。幅方向には各区間で0.10mの帯が残ります。

架空Y-2の幅1.8m原反で大20枚を42m、小40枚を二列20組で42mに配置し、合計84mとする裁断図

図を拡大して見る。同じ方向に並べられる生地と仮定した模式図です。実際の有効幅、裁断刃の幅、加工代は製作先へ確認します。

小を一列ずつ切ると、小だけで40枚×2.10m=84mとなり、大の42mと合わせて126m。表示長100mの一巻には収まらず、同条件なら二巻が必要です。二列に並べる案は一巻で足りる可能性を示しますが、現物の幅公差、耳や端の除外、切断ロス、柄・織り方向の指定があれば変わります。発注前に製作先の裁断図で検証してください。

架空の裁断方法 大20枚に使う長さ 小40枚に使う長さ 合計と100m巻の目安
小を二列に並べる 42m 42m 84m、表示上は一巻内
小を一列ずつ切る 42m 84m 126m、一巻を超える

一巻に収まる条件を、製作先の有効幅で確認する

Y-2の二列案は、幅1.70mを連続して取れることが前提です。表示幅1.8mから残る0.10mには、原反の耳、幅のばらつき、裁断刃による欠けなどを含めていません。仮に製作先が使える幅を1.68mと判断したら、大の裁断幅1.70mも、小二列の合計1.70mも入りません。その場合は「一巻で84m」という結果を採用せず、加工方法か原反幅を見直します。

製作先には、原反の品番と有効幅、長さの公差、切断の方向、端部加工後の完成実寸を一枚の裁断図に記してもらいます。幅と長さの両方が条件を満たすことを確認してから、必要巻数を見積もる手順です。

余る面積を「すぐ捨てるロス」と混同しない

二列案で一巻を購入した場合、100-84=16mの全幅原反が残る計算です。全幅で残る部分は、次に同じ材質・幅が必要なら使える可能性があります。一方、使用した84mの各区間には幅1.8-1.7=0.10mの細い帯が残ります。面積だけで見ると、全幅残材は1.8×16=28.8m²、細い帯は0.10×84=8.4m²です。合計37.2m²を一律に「廃棄ロス」とはしません。

細い帯を補修材などに回せるかは、材質、端部の状態、必要幅、保管と作業負担によります。使い道のない帯を無理に在庫化すれば管理費も増えます。全幅16mも、保管中に傷みが生じたり次の用途がなければ価値は変わります。余りの用途が決まらない場合は、そのまま残材として見積書と発注判断に残します。

原反一巻と製作費を同じ条件で比べる

一巻で済む配置でも、細幅への裁断、端部加工、検品、梱包、送料が増える場合があります。反対に、二巻を買う案では未使用の巻き残りと保管場所が増えます。購入面積だけで最安と断定せず、同じ完成実寸・数量・加工仕様で、原反代、裁断・仕上げ費、最低加工数量、送料、残材の返却・保管を見積に分けてもらいます。

比較するときは、原反の品番・厚みや用途を揃えます。幅0.9mの別規格を小用に使う案も、同じ材料条件で入手できるなら比較対象ですが、単価、入数、最小発注量が違えば裁断面積だけでは結論が出ません。熱田資材の公開規格にも0.9m幅の同シリーズ例があります。[3] 候補ごとの取扱可否・価格・入数をそろえて比較します。

余りを使う予定と、置き場を記録する

Y-2で全幅16mを残すなら、品番、幅、残長、裁断日、保管場所、次に使う予定を記録します。巻き始め・巻き終わりの状態や汚れも確認し、別材質の原反と取り違えないようにします。細い帯8.4m²相当は、再利用する用途と必要寸法が決まったものだけ区分します。

残材の記録 Y-2の計算例 発注前に決めること
全幅の巻き残り 幅1.8m×16m、28.8m² 次の用途、保管場所、返却可否
細い帯 幅0.10m×計84m、8.4m² 実際に使えるか、処理方法
条件が変わる部分 耳、切断幅、傷、端部加工 有効幅と完成実寸を製作先が再計算

架空Y-2の全幅16mと幅0.10mの細帯を分け、用途・保管・処理を決める残材記録票

図を拡大して見る。残材面積は架空の幾何計算で、実際の裁断歩留まりではありません。

裁断図を添えて発注条件を確認する

ご相談の際は、完成後に必要な幅・長さと枚数、覆う対象、使う期間と屋内外の条件、端部の仕上げ、ハトメ・補強の位置、残材を引き取るかをお知らせください。完成実寸と原反の呼び寸法を混ぜないことが大切です。養生・その他シートの案内で用途を確認でき、詳細はお問い合わせから図と数量を送れます。

当社が案内できる原反幅、最小発注量、加工方法、実際の歩留まり、残材の扱い、価格・送料・納期は案件ごとに確認します。大小を一巻に組む図を候補として伝え、製作先の有効幅・加工代・検品条件で裁断図を更新してから発注数を決めます。

養生・その他シートの商品一覧も併せてご覧ください。原反と加工済み品のどちらを希望するかを分け、必要な完成寸法・枚数・端部加工を添えてご相談いただけます。

参考資料・出典

  1. 松山産業株式会社「テントシートの加工と縫製」:縫代を含む寸法で原反を裁断し、図面で完成寸法や付属品位置を指定する工程。確認日:2026年9月26日。同社のテントシートの例であり、Y-2の加工代を示さない。
  2. 萩原工業株式会社「実はブルーシートのサイズは小さかった?規格サイズと実寸サイズとは」:周囲の折り返しによって呼び寸法と仕上がり実寸が異なる例。確認日:2026年9月26日。
  3. 株式会社熱田資材「原反(ロール)」:同社BS-1800の1.8m×100mと0.9m幅シリーズの公開規格。確認日:2026年9月26日。加工可否と有効幅は製作先へ確認。

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