トラックシートの掛け外しや保管を考えるとき、完成品が何kgになるかを発注前に知りたくなります。生地の資料に「540g/㎡」とあれば、完成シートの縦×横で求めた面積に掛け、まず平らな一枚分の生地質量を概算できます。 ただし、その答えはハトメ・補強・縁の仕上げ・ロープを含む完成品の重さではありません。計算できた部分と製作先に聞く部分を分けて見積もりを依頼します。
単位面積質量は、品番と単位を先にそろえる
生地の単位面積質量は、1㎡当たりの質量です。g/㎡で示された値を1,000で割ればkg/㎡になります。たとえば武田商会のトラックシート案内には、同社が扱うDHエステル帆布DH55の重量として540g/㎡が掲載されています[1]。これは同社掲載の特定生地の数値で、当社取扱品すべての値でも、DH55で作った完成シート一枚の重量でもありません。
見積もりに使う前に、メーカー・生地品番、掲載値の単位と資料の日付を記録します。同じ「帆布」でも値を取り違えると、計算した差は意味を失います。トラックシート商品ページから、生地・完成寸法・加工をご相談いただけます。候補品の単位面積質量は、今回手配する品番の資料で確認します。
| 確認する数値 | 使う単位 | 混同しやすいもの |
|---|---|---|
| 生地の単位面積質量 | g/㎡、またはkg/㎡ | 完成品1枚の重量、厚みのmm |
| 完成シートの縦・横 | mmをmへ直して計算 | 荷台の内寸・外寸、ハトメ間隔 |
| 平面一枚としての面積 | ㎡=縦m×横m | 裁断前に使う生地の面積、補強布の面積 |
| 加工・付属品 | 製作仕様と追加分の重量 | 生地だけの掛け算に自動で含まれると考えること |
架空W-7:完成寸法2,800×4,600mmで計算する
架空の注文メモW-7で、完成シートを平らに広げた外端から外端の縦を2,800mm、横を4,600mmと仮定します。mへ直すと2.8m×4.6m=12.88㎡。仮に武田商会掲載のDH55の値540g/㎡を計算用に借りると、12.88㎡×540g/㎡=6,955.2g=6.9552kgです。資料の値と仮定した寸法による平面生地分の計算結果としては、約7.0kgと伝えるのが適切です。W-7と寸法は説明用で、同社や当社の完成品の実測値ではありません。
DH55の540g/㎡は武田商会の掲載値。W-7の寸法と計算は架空で、完成品重量ではありません。 図を拡大して見る
よくあるご質問も、荷台を測った寸法と、見積もりに入力する完成シートの縦・横を区別しています。W-7の2,800mm・4,600mmが荷台の測定値にすぎないなら、そもそも完成シートの面積になりません。実際に覆う範囲と留める位置から完成寸法を決めてから、この掛け算を使います。
補強・ハトメ・縁の仕上げは、別の確認欄にする
岸工業の自社トラックシートの説明には、周囲の折り返し縫製に補強布と補強ロープを入れ、周囲にハトメを設ける加工例があります[2]。これは同社製品の仕様例で、当社が同じ材料・加工をするという意味ではありません。それでも、生地の平面面積だけでは完成品の構成が尽くせないことを示す具体例です。
W-7では、次の表を製作先へ渡します。未確認の加工分に一律の割合を上乗せして「完成品は8kg」と決めません。前端の絞り、ペケット、コーナー補強などを選ぶなら、その仕様も追加して見積もってもらいます。
| W-7の内訳欄 | 今分かること | 製作先へ確認すること |
|---|---|---|
| 平面一枚の生地分 | 12.88㎡×540g/㎡=6.9552kgの概算 | 実際の品番・質量値、裁断形状と使用面積 |
| 縁・重ね・補強布 | 加工の有無と位置は指定する | 追加生地量と、平面計算に含まれる部分の扱い |
| ハトメ・ロープ・縫糸 | 個数・長さ・材質を仕様で決める | 完成品重量に含む範囲とその見込み |
| 納品時の付属品・梱包 | 一枚の本体とは分けて記録する | ゴム、袋、箱を含む発送重量が必要か |
折り返した縁を計算するとき、すでに平面の縦横に含めた布を同じ面積として二度足さないことも必要です。逆に、別に縫い付ける補強布を忘れると、生地分だけの値に寄ってしまいます。裁断形状や重ね方によって差が出るので、平面計算の6.9552kgは完成重量の下限・上限としても使いません。
加工分の重量は製作先に確認し、回答を内訳ごとに記録します。 図を拡大して見る
概算と完成品重量を分けて相談する
問い合わせには、車両・荷姿、完成シートの縦横、候補生地のメーカー・品番と単位面積質量、ハトメ・補強・ロープなどの希望、必要枚数と時期を添えます。W-7なら「平面生地分は約7.0kgと計算。完成品一枚の見込み重量と、どの付属品まで含むかを確認したい」と伝えます。品番や完成寸法が未定なら、計算値を確定条件にせず、現用シートの写真と困りごとをお問い合わせから相談できます。
持ち上げやすさを比較するなら、入手した完成品を同じ条件で量り、掛け外しと折り畳みも使用者が確かめます。発送のための重量なら、本体に付属品・梱包を含むか別に確認します。質量の計算だけで使用時の安全性や扱いやすさは判断できません。
参考資料・出典
- 武田商会「トラックシート」(2026年9月25日確認)。同社掲載のDH55の単位面積質量540g/㎡を計算例に使用。
- 岸工業「トラックシート」(2026年9月25日確認)。同社の周囲縫製、補強布・ロープとハトメ加工例。






