資材の山を覆うシートは、置き場を上から見た幅と長さだけでは選べません。側面のどこまで下げるかを決め、その分を両側に足した寸法で候補を探します。さらに、商品名にある規格寸法ではなく周囲加工後の実寸を照合し、複数枚なら重ねる部分を差し引いて必要枚数を考えます。
当社の養生・その他シートの選び方は、用途や生地、固定点の確認から始めるガイドです。ここでは資材置き場の山を例に、採寸結果を「規格品1枚・複数枚・加工品」の相談へつなぐ手順を示します。車両の荷台や容器の採寸には、それぞれの形状に合う資料を使ってください。
まず、覆う起点と裾を下げる位置を決める
最初に測るのは、積んだ資材の最大の幅と長さ、最も高い場所です。出っ張った荷姿や、通路側へ張り出す部分も含めます。次に「上だけ覆う」「側面の途中まで下げる」「地面近くまで下げる」のどれを目指すかを決め、天面の縁から裾の位置までの長さを各辺で測ります。左右・前後で高さが違うなら、同じ数値に丸めず記録します。
長方形の天面とまっすぐな側面に近い形なら、概算は次の通りです。必要な横方向の長さ=天面の幅+左に垂らす長さ+右に垂らす長さ。縦方向も同様に、天面の長さへ前後に垂らす長さを足します。これは布が覆う経路を平らに伸ばした長さで、固定用の余裕や折り返し、山の凹凸を含む完成サイズではありません。必要な余裕は製作先と設置側に確認します。
高さを含めた計算例で、候補の実寸を絞る
天面が幅3.2m、長さ5.0mで、四方の裾をそれぞれ1.2m下げる単純な例なら、横は3.2+1.2+1.2=5.6m、縦は5.0+1.2+1.2=7.4mです。これは固定を含めない概算の下限です。地面まで垂らすのではなく途中で止めるなら、1.2mを実際に垂らしたい長さに置き換えます。
呼び寸法が5.4×7.2mのシートは、この例では呼び寸法の時点で足りません。しかも、萩原工業の製品説明では、周囲折返しで規格寸法より完成実寸が小さくなる製品があります[1]。同社エコフレンドシート#3000の5.4×7.2m大畳品は、完成実寸が約5.31×7.10mです[2]。この品番では横・縦とも概算下限に届きません。
同社の7.2×9.0m大畳品は完成実寸が約7.11×8.93mで、寸法だけ見れば候補になります[2]。ただし、これで設置可能と確定するわけではありません。実際の山の形、シートの向きと1枚の取り回し、端部の固定位置、風や水を受ける条件を設置側と確認します。候補品を絞る際は、このようにメーカーが示す完成実寸から確認してください。
直方体に近い形の概算図です。固定余裕や凹凸を含む設計図ではありません。 図を拡大して見る
複数枚は「足した幅」から重ね代を引く
1枚で覆いにくい場所では、複数枚の割付を考えます。このとき、幅5mのシートを2枚なら10m覆える、とは数えません。2枚の間で重ねる部分があるためです。2枚の有効幅=1枚目の完成実寸幅+2枚目の完成実寸幅-重ね代で見積もり、それぞれの完成実寸長さも必要な縦方向の長さと比べます。
例えば萩原工業エコフレンドシート#3000の5.4×9.0m大畳品は、1枚の完成実寸が約5.31×8.90mです[2]。同じものを2枚並べ、仮に0.30mを重ねる計算なら、有効幅は5.31+5.31-0.30=10.32m、各片の長さは約8.90mです。0.30mは算術を示す仮の値であり、推奨する重ね代ではありません。雨を避ける向き、継ぎ目の位置・留め方、風を受ける場所は現場側で決めます。重ね代が大きくなれば、覆える有効幅はその分減ります。
| 比べる案 | 先に照合する寸法 | 追加で確認すること |
|---|---|---|
| 規格品を1枚 | 完成実寸の横・縦が、垂れを含む必要長さ以上か | 1枚の重さ、端部と固定点、取り回し |
| 規格品を複数枚 | 重ね代を引いた有効幅と、各片の完成実寸長さ | 継ぎ目の位置・向き、重ね方、必要枚数 |
| 加工品・原反を相談 | 希望する仕上がり寸法と枚数 | 生地、周囲加工、ハトメ位置、製作・納品条件 |
原反と加工品は、仕上がり条件を分けて相談する
規格品で寸法が合わないときは、加工品や原反が候補です。ただし「原反」はシートに加工する前のロール材で、周囲補強やハトメを付けた完成カバーとは異なります[4]。カットして使うのか、周囲を折り返すのか、ハトメを設けるのかを先に決めないと、必要な発注寸法も変わります。
萩原工業は周囲折返し・ハトメ有無・切りっぱなしなど複数の加工を紹介し、サイズやハトメ間隔の別注も案内しています[3]。加工の選択肢は生地や製作先によって異なります。当社の養生・その他シート案内をご覧のうえ、希望の仕上がり寸法と加工内容をご相談ください。候補品の仕様、対応できる加工範囲、販売単位を確認します。加工を希望する場合は、寸法を「原反の幅」ではなく「使うときに必要な仕上がり幅・長さ」として伝え、製作可否と加工後の実寸を確認します。
割付と見積もりの相談項目を示す模式図です。施工方法や加工可否を確定しません。 図を拡大して見る
見積もり前に、採寸メモと写真を揃える
お問い合わせでは、①覆う資材の種類と天面の最大幅・長さ、②各辺で裾を下げる長さ、③置き場の写真と固定できる位置、④使用期間・着脱頻度・希望枚数・使い始める時期を伝えてください。すでに使っているシートがあれば品番と困っている点も役立ちます。
候補品の完成実寸、重さ、加工可能な範囲と販売条件を揃えて、1枚で扱えるか、複数枚に割り付けるか、加工品を検討するかを確認します。寸法の概算だけでは雨・風への適合や固定方法の安全性は決まりません。設置条件は現場の担当者と照合してください。
参考資料・出典
- 萩原工業「規格サイズと実寸サイズ」(2026年9月25日確認)。周囲加工と実寸の差、実寸仕上げを参照。
- 萩原工業「ターピー エコフレンドシート#3000」(2026年9月25日確認)。大畳品の呼び寸法、完成実寸を参照。
- 萩原工業「シートの周囲加工、ハトメの種類」(2026年9月25日確認)。周囲加工と同社の別注例を参照。
- 萩原工業「シート・クロス・ロールの違い」(2026年9月25日確認)。原反と完成シートの違いを参照。






