シートやフレコンの在庫が「いつもの納期」では間に合わないとき、発注点を平均値だけで決めていると、長い納期と多い使用量が重なった日に不足します。実際の発注日と使用可能になった日を同じ基準で記録し、納期中の使用量をいくつかの条件で試してから、欠品と置きすぎのどちらをどこまで許容するかを決めます。
シート・フレコンの発注点の基本では通常の考え方を整理しています。本稿は、納期にばらつきがあるときの見直しに絞ります。以下の資材M-8、日数、数量、価格はすべて説明用の架空例で、当社の出荷実績・在庫保証・納期ではありません。
納期は発注から「使える状態」まで記録する
納期を比べるには、起点を発注確定日、終点を現場または倉庫で検品を終えて使える日など、一つに決めます。見積の「出荷まで○日」と、現場で使えるまでの日数を混ぜません。Oracleの在庫管理資料でも、補充のリードタイムに必要な手配・処理・受入れ側の時間を含めて発注点を扱っています。[1]
記録には商品・仕様、数量、発注先、納品先、発注確定日、出荷通知日、受入日、使用可能日を残します。休日を含む暦日と営業日も混ぜず、この例では発注確定から使用可能までの営業日にそろえます。複数現場で配送や検品の日数が違うなら、場所ごとに見ます。Oracle NetSuiteも拠点ごとにリードタイムと安全在庫を扱う例を示しています。[2]
六回の実績で平均と長い納期を分ける
架空M-8の直近六回の営業日ベースの実績を、8、9、10、10、11、12日とします。平均は10日、この六回で最長は12日です。12日を「必ずここまでに届く日数」と見なすことはできません。連休、欠品、仕様変更、納品先の違いがあれば別に注記し、今後の見積納期も仕入先に確認します。
| 架空の発注回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 使用可能までの営業日 | 8日 | 9日 | 10日 | 10日 | 11日 | 12日 |
| 記録する条件 | 通常品 | 通常品 | 通常品 | 通常品 | 通常品 | 通常品 |
六件だけでは確率や保証納期は出せません。まず「平均10日」と「観測された12日」を別々に試すための手掛かりにします。季節や仕入先が変わった記録を同じ母集団として扱う前にも内容を見直します。
使用量の上下も納期中の必要数に直す
架空M-8の現場使用量は、直近の営業日では一日8、9、10、10、11、12個とします。この六日間の平均は一日10個、観測上の多い日は12個です。使用の曜日差や大型案件があるなら、単純な一日平均で全期間を代表させず、予定工事と出庫記録を一緒に見ます。
まず平均同士なら10日×10個/日=100個。納期だけ長い条件は12日×10個/日=120個。さらに毎日12個を使い、12日かかる厳しめの条件では12日×12個/日=144個です。これは少数の実績から作った感度確認の三つの場面であり、将来の欠品確率や必要安全在庫を統計的に証明したものではありません。
| 架空の場面 | 納期 | 一日使用量 | 納期中の必要数 |
|---|---|---|---|
| 平均同士 | 10営業日 | 10個 | 100個 |
| 納期が長い | 12営業日 | 10個 | 120個 |
| 納期・使用量とも厳しい | 12営業日 | 12個 | 144個 |
図を拡大して見る。平均だけの100個と、長い納期・多い使用が重なる144個を分けます。
発注点100個だけではどこが不足するか
発注点は、補充中に使う見込数量と余裕分を合わせた目安です。Oracleの発注点計画も「補充中の需要見込+安全在庫」を基本形にしています。[1] 架空M-8で発注点100個なら、10日×10個/日の場面では補充直前に残り0個。12日×10個/日なら20個不足し、12日×12個/日なら44個不足する計算です。
ここで不足数は、発注点に達したときから補充品が使えるまで、他に入荷や代替がないと仮定した試算です。発注点を増やせば必ず欠品しないという意味ではありません。納期がさらに延びる、予定外の出庫が増える場合は再検討が必要です。
120個と144個の候補で欠品と置きすぎを比べる
候補を120個に上げれば、12日×10個/日の場面までは足りますが、12日×12個/日の場面では24個不足します。候補144個なら、この三つの場面では不足せず、平均同士の場面では補充直前に44個残ります。どちらを選ぶかは、欠品時の現場停止・緊急調達の影響と、保管スペース・資金負担・劣化や仕様変更のリスクを並べて決めます。
| 発注点候補 | 平均同士100個必要 | 厳しい場面144個必要 | 発注点120個との差 |
|---|---|---|---|
| 100個 | 補充直前0個 | 44個不足 | 20個少ない |
| 120個 | 補充直前20個 | 24個不足 | 基準 |
| 144個 | 補充直前44個 | 補充直前0個 | 24個多い |
仮に一個500円なら、120個から144個へ24個多く持つための購入額相当は12,000円です。これは損失額や保管費ではなく、在庫に回す資金の目安です。24個の置き場と保管期限を確認し、24個不足したときの実害や代替調達の可能性と比べます。欠品が重い現場なら144個を候補にできますが、この六回の実績だけで一律の発注点にはしません。
図を拡大して見る。不足の影響と追加在庫の置き場・資金を同じ表で検討します。
発注点と一回の発注数量を分けて運用する
発注点は注文を出す時点の目安であり、毎回の発注枚数・個数そのものではありません。判定では、使える手持ち在庫と、必要な時期までに受け取れると確認した入荷予定を合わせます。引当分を扱う際は、その需要を発注点の使用予測にも含めて二重に差し引かないよう、計算の基準をそろえます。未確定の発注や到着日が合わない入荷を先に足さないでください。Oracleも手持ちと予定入荷を含む利用可能数量で判定します。[1]
たとえば手持ち130個、必要な時期までの確定入荷20個なら、合計は150個です。引当10個が既に今後の使用予測に含まれている場合は、ここから重ねて引きません。150個は発注点144個・120個のいずれも上回ります。ただし、その20個が届く前に不足しないかは日付別に確認します。一回に何個買うかは、ロット、保管上限、次回の使用予定、送料、納期を別に見積もります。仕入先や現場を変えるなら、納期履歴も同じものとして流用せず更新します。
現場と仕入先ごとの条件を持って相談する
同じフレコンでも、在庫品か別注品か、サイズ・印刷・納品先・数量で手配条件が変わります。フレコンバッグの案内で候補の仕様を確認し、資材の仕入れ・調達の案内も参照してください。お問い合わせには対象品・仕様、現場別の使用量、発注確定日と使用可能日、現在の手持ち・確定入荷・引当、希望納期と保管可能数を添えてください。
見直した発注点は固定せず、次の実績が出たら納期・出庫・欠品・余剰を記録して再計算します。仕入先の納期や在庫可否、緊急時の手配はその都度確認します。
参考資料・出典
- Oracle「Reorder Point Planning」:発注点=補充中の需要見込+安全在庫、手持ちと予定入荷を含む判定、リードタイムの範囲。確認日:2026年9月26日。架空M-8の需要や納期を示さない。
- Oracle NetSuite「Lead Time and Safety Stock Per Location」:拠点ごとの納期・安全在庫、発注と受入れの日付からの納期記録の例。確認日:2026年9月26日。当社の納期保証ではない。






