工事が進んでから養生シートを追加するとき、「前に入れた白いシートを九枚」とだけ伝えると、寸法やハトメ位置、防炎表示が違う商品が届くおそれがあります。さらに、追加する場所の条件が変わっていれば、先行納品品と同じ仕様でも使えない場合があります。先行納品品を注文記録と現物で特定し、同じ仕様で増やす範囲と新しい条件を確認する範囲を分け、必要な順に数量を手配します。
先行納品品は、品名より注文記録と現物で照合する
最初に先行分の注文書・納品書と、現場に残る未使用品の梱包表示、設置済み品のラベル・端部を見比べます。注文番号、メーカー・型式、寸法、色、生地、ハトメ間隔、必要な防炎表示や提出資料を一組にして記録します。納品書に「白防炎シート」とだけ書かれていても、同じ品名が同じ製品寸法や固定条件を意味するとは限りません。ラベルが読めないときは写真を添えて仕入先へ照会し、品番を推測で埋めないでください。
ここでは架空の工事現場W-2を考えます。南面に白防炎シートを20枚先行納品し、今も使用中です。仮の注文記録には「呼び寸法1.8×3.6m、ハトメ間隔約45cm」とありますが、メーカー型式は現場控えで確認できていません。W-2の枚数・寸法・注文記録は説明用で、実際の納品実績ではありません。追加発注では、元の注文番号を仕入先へ示し、型式、実寸法、加工、表示を再確認します。
萩原工業の塩ビ防炎シートの仕様表では、足場用の1.8×3.4mはハトメピッチ約30cm、1.8×3.6mは約45cmと、近い幅でも寸法と固定点の組み合わせが異なります[1]。これは同社製品で仕様を分ける実例であり、W-2の先行品を萩原工業製と特定する根拠ではありません。現物の汚れや縮みを見て型式や発注寸法を決めず、注文記録と候補品の現行仕様を照合します。
防炎表示の指定がある場合は、ラベルや資料も品名と別に確認します。日本防炎協会は、防炎表示を防炎物品とそうでない物品を見分けるための表示と説明し、工事用シートの表示方法を案内しています[2]。W-2の既設品や候補品が現場指定を満たすかは、表示の写真と現場の指定書、候補商品の資料で確認します。
現場条件が変わった場所は、同じ仕様の追加分と分ける
W-2では、南面の延長部分には先行分と同じ割付けを六枚増やす予定とします。一方、新たに西面の三か所を覆う計画では、固定点の配置が異なり、必要な高さも未確定と仮定します。南面の六枚は先行品と同じ仕様かを照合する枠、西面の三枚は現場条件から仕様を決め直す枠です。「追加九枚」と一行にまとめると、西面にも南面用の寸法やハトメ間隔を指定してしまうおそれがあります。
| W-2の追加範囲 | 先行分との関係 | 発注前に確かめること |
|---|---|---|
| 南面の延長・六枚 | 同じ割付けを想定 | 先行品の型式、実寸法、ハトメ間隔、防炎表示、現行の供給可否 |
| 新設の西面・三枚 | 固定点と高さが異なる | 西面の実測範囲、固定位置、必要な表示・資料、現場責任者の割付け |
W-2の面と枚数は架空。図は足場の割付けや固定方法を指示しません。 図を拡大して見る
現場の用途・必要な表示・寸法と固定位置、呼び寸法と実際の製品寸法の確認は建築用シートの選び方にもまとめています。西面の寸法と固定方法は現場責任者の図面・指示で確定し、資材担当は候補品の規格と加工可否を確認します。同じ白防炎シートでも、現場指定の性能や提出資料が変わったなら、その条件も新しい見積りへ明記します。
追加数量は「必要な場所」と納品順で伝える
W-2の九枚は、南面六枚と西面三枚を別行にして、使用開始の順序を添えます。例えば南面を先に施工する計画なら、第1便は南面用六枚、西面の寸法と仕様が承認された後に第2便として西面用三枚を希望する形です。これは発注の記入例で、製作・在庫・分納の実現や到着日を約束するものではありません。先行品と同じ商品が供給できない場合は、南面も代替候補の仕様差を現場責任者へ戻して判断します。
| 便の案 | 必要な場所・数量 | 発注判断に必要な確認 | 納品時に照合するもの |
|---|---|---|---|
| 第1便 | 南面の延長・六枚 | 先行分の型式と同一仕様の供給可否 | 品番、寸法、表示、納品書の数量 |
| 第2便 | 新設の西面・三枚 | 実測寸法、固定点、現場指定の承認 | 承認した仕様と納品品の一致 |
便分けは説明用。必要日、分納可否、現場への搬入方法は個別に確認します。 図を拡大して見る
枚数を決める際は、現場責任者が承認した割付けで覆う範囲を数え、現場在庫、使用できない破損品、予備の要否を別欄に書きます。先行納品数20枚から使用中の20枚を機械的に引くだけでは、追加九枚が必要かどうかは分かりません。便ごとに納品先、受取担当、必要時期、荷姿・販売単位も伝えます。場所ごとの必要数と希望する納品順を分け、仕様未確認の西面分を南面分に混ぜないことで、到着後の取り違えを防ぎやすくなります。
相談時は「同じにしたい条件」と「変える条件」を一枚にする
資材担当が渡す資料には、先行分の注文番号・納品書・ラベル写真と、南面・西面の現場写真、追加範囲の寸法と固定点、必要な表示・提出資料、場所別の枚数・使用開始日を並べます。先行型式や西面の寸法が未確認なら、その欄は「未確認」と記し、誰がいつ確認するかまで決めます。これにより見積りの段階で、同一仕様の追加と仕様変更の相談を分けられます。
当社では、現場指定の防炎表示・規格、縦横寸法、ハトメ位置や間隔、必要枚数と使用開始時期を確認します。相談項目は白防炎シートの商品ページにもまとめています。先行品の供給可否、追加箇所の加工、分納の条件は、今回のご依頼に合わせて確認します。先行記録と追加箇所の図・写真を添え、資材の相談・見積もり窓口へお知らせください。候補品、販売単位、見積り、納期は個別に照合します。
参考資料・出典
- 萩原工業「塩ビ防炎シート」(同社足場用製品の規格寸法・ハトメピッチ。2026-09-25確認)
- 日本防炎協会「防炎表示と防炎ラベル」(表示の目的と工事用シートの表示方法。2026-09-25確認)






