別注トラックシートが届いても、外箱に書かれたサイズと枚数だけでは、注文どおりに使えるか分かりません。使用前に、採用した注文図の版を手元に置き、シートを平らに広げて完成外端の寸法、加工の位置と数を1枚ずつ照合すると、装着してから違いに気づく事態を減らせます。数値や加工に差が見つかったら、その場で合否を決めず、測り方と写真を残して納品元へ確認します。
この記事は架空の注文T-27で受入時の手順を示します。車両への適合、製作公差、返品条件を示す実例ではありません。発注前にどの寸法を指定するかではなく、届いた完成品と採用図の差を整理する場面を扱います。
最初に「何と比べるか」をそろえる
開梱前に納品書の品名・数量・注文番号を見て、購買担当と現場が採用した注文図を出します。見積用の旧図や途中の修正案では、差の判断ができません。図面のファイル名だけでなく、注文番号、版、採用日、対象車両を記録します。1注文に複数のシートが含まれる場合は、各シートをA、Bのように仮番号で分け、どちらの写真と測定値か追えるようにします。
岸工業の特注トラックシート注文フォームには、シートの幅・長さ・枚数、生地、ハトメ仕様、オプション、シート図と進行方向の欄があります。[1] 自社の注文でも、これらを採用済みの図と注文記録で照合できる形にしておくと、受入時の比較軸が明確になります。受入担当にも、採用した図と注文記録を共有しておきます。
| 受入前に置く資料 | T-27の架空の記録 | 確かめる理由 |
|---|---|---|
| 注文番号と対象 | T-27、車両H-9用、2枚 | 届いた2枚を別案件と混ぜない |
| 採用した図 | T-27図 Rev.B、2026年9月18日採用 | 旧版との比較を避ける |
| 完成外端の指定 | 幅2,800mm×進行方向の長さ4,200mm | 荷台寸法やハトメ間隔と混同しない |
| 片側加工 | 右辺の後端から900mm位置に三角ペケット1個、センターライン1本 | 左右・数量・基準端を確かめる |
平置き寸法は完成シートの外端で測る
シートを傷つけない清潔な場所で広げ、図に書いた表裏と前後を合わせます。折れた状態や強く引っ張った状態で寸法を決めず、同じ方法で幅と進行方向の長さを外端から外端まで測ります。測定の起点・終点が分かる写真と、使用した図の単位を残してください。ハトメの中心間や、荷台の内寸を代わりに測っても、完成シート寸法の確認にはなりません。
当社のトラックシート商品ページでは、車両側の寸法と完成シート寸法を分けてご相談いただけます。受入時には、注文図に合わせて完成シートの外端間を測ります。岸工業の製品案内でも、進行方向を長さ方向として幅と長さを考えるよう案内しています。[2] ただし、注文図の表記が異なる場合は図の寸法名と測定箇所を納品元に確認します。
T-27で、シートAは幅2,800mm・長さ4,200mm、シートBは幅2,770mm・長さ4,200mmと仮に測ったとします。Bの幅は図の2,800mmと30mm違います。この30mmだけで製作不良や使用可否は断定できません。測り直しても差が残る場合は、採用図の完成寸法、測定方法、納品元が定める許容差を照会します。許容差をこちらで作らないことが大切です。
| 照合項目 | T-27 Rev.B | シートAの仮測定 | シートBの仮測定 |
|---|---|---|---|
| 幅・外端間 | 2,800mm | 2,800mm | 2,770mm・照会 |
| 長さ・前後外端間 | 4,200mm | 4,200mm | 4,200mm |
| 測った状態 | 外面を上、前端を合わせる | 同じ方法で測定 | 同じ方法で再測定 |
図を拡大して見る。Bの幅差と加工の未確認を、合否ではなく照会事項として示します。
ハトメやペケットは「ある・ない」だけで終えない
加工は数量だけでなく、どの辺のどの位置かを採用図と比べます。T-27の三角ペケットは右辺に1個、後端から900mmという架空の指定です。シートを外面を上にして前端をそろえ、左右を反転せず、右辺と後端を確認してから位置を測ります。センターラインも指定した1本があるか見ます。写真には前後矢印、シートA/B、加工位置の近景と全景を入れます。
武田商会はトラックシートのオプションとしてペケットやセンターラインなどを掲載しています。[3] 加工内容は製作先や注文ごとに異なるため、掲載例の標準位置や性能をT-27へ当てはめません。ハトメの数・ピッチ、補強、付属ロープも注文図や納品内容に指定があるものを確認します。
架空のシートBでは、右辺の三角ペケットが見当たらないとします。左辺にもないか写真で確かめ、梱包材の中に別部品として入っていないか確認したうえで、**「指定位置に見当たらない」**と記録します。勝手に穴を開けたり縫い付けたりせず、納品元へ図と現品写真を送ります。
使用前に外観と同梱物も一緒に見る
寸法と加工の照合時に、生地の破れ、端部のほつれ、金具の変形、縫製や溶着の明らかな浮き、汚れ・濡れなど、開梱時に見える状態を記録します。これは受入側の目視であり、防水性や強度を証明する試験ではありません。傷があれば場所が分かる全景と近景を撮り、梱包材の状態も残します。
付属品が注文対象なら、ロープなどの種類と数量を納品書と照合します。付属品が注文に含まれていない場合は「欠品」と書かず、注文記録を再確認します。シートAとBを同じ車両用に注文していても、一方の確認結果をもう一方へ転記しないでください。
差が出たら測定条件と問い合わせ内容を一枚にまとめる
T-27のシートBは、例として「幅2,770mmを再測定」「右辺の三角ペケットが見当たらない」の2件を照会します。図面どおりか未確認の状態を保留として管理し、回答前に使用判断へ進めないよう、シートBの保管場所と担当者も記します。シートAは図との照合済みでも、現車との適合や運用上の確認を経て使用を決めます。
| 納品元へ伝える欄 | T-27シートBの記入例 |
|---|---|
| 注文と採用図 | 注文T-27、図Rev.B、車両H-9、2枚中B |
| 寸法の差 | 指定幅2,800mm、外端間の再測定2,770mm、長さ4,200mm |
| 加工の差 | 右辺・後端から900mmの三角ペケット1個が見当たらない |
| 添付する資料 | 採用図、外面上の全景、幅の測定起終点、右辺の近景、納品書 |
| 確認したいこと | 許容差と測り方、加工指示の採用状況、対応方法と時期 |
| 社内状態 | Bは使用判断を保留、Aは現車確認待ち |
図を拡大して見る。数値・加工位置・写真を同じシート番号に結び付ける記録例です。
装着前に現車との確認事項を引き継ぐ
平置きで図と一致しても、実際の荷姿や固定点で適切に掛かるかは別の確認です。現車に試しに合わせる前に、受入で見つかった差が解消したかを確かめます。安全な場所と社内手順のもとで、対象車両、積み荷の形、固定点、前後左右、シートの垂れ方を担当者が確認します。受入時の目視だけで走行時の性能を保証しません。
採用図、納品時の写真、照会と回答、最終的に使用した版を残しておけば、後で同じ仕様を注文するときにも役立ちます。別注品を同じ仕様で再注文するための記録も参考にしてください。
注文図と写真を添えて相談する
納品後に寸法や加工が合っているか迷う場合は、注文番号、採用図の版、測った外端寸法、加工位置・数量、シートごとの写真と必要時期をまとめます。トラックシートの商品ページで扱う寸法・加工の項目を確認し、お問い合わせから状況をお知らせください。納品物の差の扱い、再確認や対応方法は注文条件と現品を照合して個別に案内します。
参考資料・出典
- 岸工業株式会社「特注トラックシート オーダーフォーム」:幅・長さ・枚数、生地、ハトメ、オプション、シート図と進行方向の記入欄。確認日:2026年9月26日。同社の注文様式であり、T-27や当社の書式ではない。
- 岸工業株式会社「トラックシート」:進行方向と長さ方向、幅と長さの考え方、ハトメ等の指定項目。確認日:2026年9月26日。同社製品の説明であり、T-27の公差を示さない。
- 株式会社武田商会「トラックシート」:ペケットやセンターライン等の加工例。確認日:2026年9月26日。同社の加工例であり、当社やT-27への適用を示さない。






